人は思考の80%くらいは、昨日と同じことを繰り返し考えてる。考えても考えても答えが出ない悩みは、考えないほうが解決する場合が多い。解決して欲しくないから解決方法を延々と考えているからにほかならないからだ。人間には、そういうところがある。
解決方法の見つからない問題を延々考えても意味がない。←このように文字にしてしまえば「当たり前」のことなのに、なぜ我々は答えや解決法が見つかる可能性の低い問題を繰り返し繰り返し考えるのだろうか。
どこにも向かわない思考の反復は苦痛でしかないはずだ。にもかかわらず脳内の反芻が止まらない。染みついた思考回路を回しておく方が、知的負荷が低いのも理由だろうか。不快な思考から湧き出る脳内麻薬の中毒になっている可能性もありそうだ。
解決しない問題を繰り返し考えることで生じる「不快感」「怒り」「絶望感」そういった負の感覚が生きる依り代になってしまっている。こういうネガティブな思考に隷属する態度をニーチェはルサンチマンとして糾弾した。19世紀に喝破された人生の陥穽にはまってしまうのは避けたい。
- 作者: ニーチェ,Friedrich Nietzsche,木場深定
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