この図はブッダを理解する上の基本中の基本となる図。
意識（Consciousness)がベースに合って感覚・感情・思考・意欲が浮かび上がっては消えている。自己啓発の多くは思考で意欲と感情をコントロールしようとする考え方だ。ライフハック系では感覚の制御も取り込んでいる場合があるけれど、現代人は感覚（Sensation)を軽視しがちなところがある。
非常に雑にいうと思考だけで現実をねじ伏せようとして失敗している人たちに、感覚に意識を向けることで、歪な心のバランスを整えましょうというのが仏教というか流行りのマインドフルネスのキモだ。
私を含め社会的弱者は、制御できない感情、足りない意欲を、なんとか思考の力（理性･理屈・発想の転換）で折り合いをつけようとしている。そして大抵は失敗する（もちろんある程度成功することも当然ある）
思考のピットホールの最たるものは「何でもかんでも因果関係で考えてしまう」点にある。この怒り（感情）にはこういう理由がある。意欲を実行に移せないのはこれが原因だ云々。
過度な因果思考にとらわれすぎなのは、弊害が多いのを通り越して、不幸の根本原因にすらなってしまう。特にまだ若くて健康に大きな問題がないのに、己は不幸だとレッテルを貼ってしまっている人たち。常に不機嫌な人は概ね、心の一つの要素に過ぎない思考だけを、自我だと信じてしまい、固着した因果思考でしか世界を観られないものだから、社会的にも物理的にも身動きがとれなくなっている。
思考だけが自分自身だと考えながら、実際は感情・意欲・感覚に思考が隷属して思考が思考の体をなしていない。これが、人格障害、厭世主義・ニヒリズム等々の病んだ考え方で自らを不幸にしている人たちの共通点ではないだろうか。そんなことを考えてみた。
