天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

悩みや怒りも体調不良の一種である

マインドフルネス的思考を突き詰めていくと、いわゆる体調不良から生じる不快感と、悩みや恨み辛み怒りといった負の感情から生じる不快感に本質的な差がないと理解することができる。どちらも脳が「不快だ」と感じている点において同じだ。

負の感覚というのは肉体の様々な箇所から発生する。負の感情は脳内で発生する。脳も肉体の一部には変わりがない。どこで発生した情報も「心地よくない」と理性が判断した状態で同質になる。違うというのであれば、どこがどう違うのか論理的に説明できるだろうか。

いかなる不快感も快楽物質(いわゆる麻薬)でかき消すことができる。癌の疼痛でさえモルヒネがあれば劇的に軽減できる。不幸に苛まれる人たちは麻薬に手を出す。同じ薬物が痛みにも不幸にも効く。この事実をもってしても負の感情だけを特別扱いする理由はない。

不幸な人間でも四六時中不幸なわけではない。思い返せば不幸を忘れている時間の方が長かったりする。風呂に入ったとき、飯がうまかったとき、快便だったとき、そこに不幸はない。負の感情が一時も離れなくて疲労困憊するのは「うつ病」と診断される。特定の負の感情にこだわりすぎると「人格障害」と診断される。

人間は一人残らず物質的存在であり、物質的存在が保てなくなれば死ぬ。肉体はタンパク質とミネラルで構築された「モノ」に過ぎない。不遇感や恨み辛み怒りで自らを不幸定義するのは、肉体を自ら毀損して痛い痛いと呻いているのと本質的な違いはない。