天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

トラウマ教の信者たち

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久々のメンヘラ批判。この場合のメンヘラは「歪んだ思考回路ゆえに不幸な人」という意味。器質的な精神疾患とはまったく別とあらかじめ断っておく。過去の自己批判も含めているので、勝手に自分を批判されていると怒らないでね。

長年の趣味でRSSリーダーで読み続けている個人ブロガーが30ほどある。そのうち10人ぐらいはメンヘラ系。最初は親近感から読み始めたのだが「人の振り見て我が振り直せ」とはよくいったもので、特に心を病んで働けなくなってしまった人たちには、あからさまな共通点があることを発見した。「やたらと過去にこだわる、特にトラウマにこだわる」 この二つだ。

そしてこの”過去にこだわる”は必ず他者への憎しみとリンクしている。自分が働けない・引きこもっている・憂鬱なのは「過去の特定の人間関係から生じたトラウマが原因」と強く断じている。

現在の自分は「過去のワルモノとの関係性において生じたトラウマで決定づけられている」と異常に頑ななのだ。あまりにも固執するので「その固執の強度自体が一番の問題」だと外部からは見えてしまう。

現状を過去との因果関係で考えすぎることこそが、メンヘラのメンヘラたる所以とも言いきってよい。

心の闇は過去のトラウマに起因するという因果論は、フロイト派の心理療法が主流だった1950年代の精神医学やカウンセリングでは王道の考え方であった。しかし現在では精神医学にフロイトの心理学を引用するのは完全にアウトになっている。現代のカウンセリング理論でもトラウマを掘り起こして、それを解決するような手法をとるカウンセリング理論は無い。意味が無いどころか心の闇を深めてしまうことがハッキリしているからだ。

因果関係を考えるとき人はだいたいネガティヴだ。幸福感を感じている人間が「この幸福の由来は過去どういう出来事とリンクしているのか」と深く考えることはあまりない。「彼女と偶然出逢えた幸運」等を甘ったるく追想するぐらいだろう。

一方現状の自分に肯定できる要素が少ない人間は、そうなった原因としての過去を考えてしまう。そして「過去の悪いあの人、あの人たちが現状の自分を構築している」 このような単路の因果論に「病的に固執」している。

素直に考えれば原因を突き止めたとしても、過去は変えられないのだから、現在の自分をマシなものとするためには、今ここにある自分の考え方を変えるか、行動を変えるかしか術がない。その術を為すことを放棄して、ひたすら過去に対して負の視線を注ぎ続けることに人生を費やしている。

なぜその不毛さに気づけないのか。原因だと考えているトラウマという物語が何か役に立つのか・・・

外野からみると誰もがそう思う。でも当事者には分からない。

存在を証明できない神をなぜ信じるのか? たどり着く先はこういう答えの無い問いだ。トラウマなるものを神棚に供えて、日々呪いの言葉を綴っている人、カルト宗教の狂信者と似ている気がする。