橘玲氏の著作にもありましたが、どうやら人を悩ませる精神疾患が淘汰されなかったのは、ちゃんとした理由があるそうです。イケイケドンドンの勇猛果敢な人間よりも、危険から逃げまくる臆病なタイプの方が生き延びやすい。雑にまとめると、こんな理由らしいです。
今感じている「抑うつ」「鬱憤」「怒り」は今自分に至るまで生命の連環が続いてきた証でもあるわけです。そう考えると、気鬱な自分を呪うネガティブな思考も多少は癒やされるかもしれません。
精神疾患が現人類を苦しめる理由は、主として文明社会の急速な進化に遺伝子レベルで適応できていないからというのがトレンドな学説らしいです。一番短く見積もっても、我々人類(ホモサピエンス)には30万年の歴史があるそうです。農耕を始めたのは最大限遡っても6千年前ぐらいらしく、29万4千年もの間に遺伝子に刻印された人の性質は簡単には書き換えることができません。
産業革命以降、そしてネットの爆発的な普及以降の社会に、動物としての人間がすんなりと適応できると考える方が不自然で、不適応をおこす方が自然であり、変に適応できてしまっている方がむしろ「変わり者」なのでしょう。
上記を踏まえたうえで、独りの人類として賢明な振る舞いを考えるならば、「憂鬱で辛い」「腹が立つ」「不安」といったネガティブな感覚や思念を、本能由来の動物的な物理反応に過ぎないと客観視して、脳からのマイナスの指令を真に受けず、理性的に受け流す術を身につけることが重要だと考えます。
長年メンヘラーをやっている俺が嘯いても説得力ないけどね~
- 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ
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