これを観た。こういう少し高尚な作品を観るのは久しぶりだ。ベイビードライバーはなぜか神戸市内では上映がなかったが、こちらはシネリーブル神戸で普通に上映中。永瀬正敏が出演するからなのか。観客はいかにも映画好きそうな紳士淑女が多かった。観た理由はまたもや「週刊文春の映画評」これも非常に高評価。ハズレに遭遇しなくてよいから役に立つ。
作品の内容だが「これといった大事件が起きない映画」だ。それなのに2時間一度たりとも「退屈」を感じなかった。こういう映画こそ、カネを払って映画館で観るべきなのだと変に納得した。
主人公のパターソンはペンでノートにポエムを書くのが趣味のバスの運転手だ。妻はアラブ系の美人で独特の美的感覚をもっている。彼女の創り出す美の世界と愛犬の愛らしさが作品に彩りと奥行きを添えている。案外、妻と犬の映画だったりして・・・
アメリカのよくありそうな街のよくありそうな夫婦の一週間を淡々と描いただけなのに、なぜ観ていて退屈という感覚が一切生じなかったのだろうか。わからないけれども、そのわからなさを楽しむ映画なのかもしれない。秋の一本目としては文句なしだ。