ガンダムは縁がなかった。初代ガンダムが大ブームになっていたときも友達の話題に参加できなかった。20代後半にエヴァンゲリオンと邂逅するまでは、アニメとは距離をとっていたシニカルな中二病を患っていたからだ。
それからも様々なリメイクをとおしてガンダムは度々話題になっていたが、最初に乗り遅れた手前、常に関心の外だった。とはいえ心酔する人たちの輪に加われないことを、少し残念に思う気持ちもないではなかった。
機動戦士Gundam GQuuuuuuX
で、この新作なんですが、わざわざテレビ放映予定のアニメの序盤を纏めた劇場版を観に行った理由は、「エヴァンゲリオンの庵野秀明とスタジオカラーがサンライズとガッツリコラボしている」それだけの理由です。庵野秀明はガンダムにインスパイアされてエヴァンゲリオンを創ったことを常々公言しており、鶴巻監督にサンライズ側からコラボの要望が出て、おそらく庵野秀明は狂喜したのではないだろうか。
というわけで、ガンダムの新作というより庵野秀明とスタジオカラーの新作アニメを観に行くという期待感で劇場に足を運びました。サンライズの系譜はまったく分からないので、どの程度スタジオカラーの色がガンダムに投影されているのかは分からないのですが、リメイクされたヱヴァンゲリヲンに近いテイストは度々感じました。
個人的には庵野秀明が仕切るのではなく、脚本を担当し、原画で参加というさじ加減が特に良いかもと思っている。オリジナルのエヴァンゲリオンはなによりストーリーが優秀だった。21世紀以降の彼の脚本には違和感の方が多いが、ガンダムという基本設定に上乗せする形なら、彼の美質が生きそうだ。なんでも「シャア専用ガンダムという赤いガンダム」ありきの庵野秀明の妄想がベースなだけに、ストーリー展開も期待できる。
観た感想
初代ガンダムのアナザーストーリーということで、世界観の基礎知識があったので理解できたけれど、まったく前知識がないと理解できない内容だったかもしれない。シャアは出てくるけれどアムロは出てこない世界線。後半は一気に女子高生がいきなりモビルスーツとシンクロするという熱い展開。
正直、見終わったあとにネットで復習しないと物語の大枠が理解できなかったけれど、ロボットアニメの快楽、アニメならではのSF描写の気持ちよさはパンパンに詰め込まれているので、よく分からなくても最後まで映像美だけで楽しめる作品といえそうだ。
テレビ放映が楽しみ
劇場版の続きとなるテレビ放映がいつから始まるか今のところ発表されていない。放映が楽しみだ。