10年前と今の自分を比較して一番大きな違いは「他者に対して立腹しなくなった」に尽きるだろう。
昨日、10回ぐらい校正をやりとりして校了となったのに「予算が合わない」と一方的に発注をキャンセルしてきた新規顧客がいた。受注できても粗利5千円ぐらいの仕事なのに他者の時間を大幅に奪ってなんとも思わない人間がいるのだ。もちろん最初に見積もりは出してある(>_<)
過去の自分なら一生もので忘れられないぐらい激怒しただろう。しかし、今日はブログのネタを考えるにあたって「そういえば昨日こんなことがあったな」と思い出すぐらいにあっさり忘れて、感情が置き去りになっている。もちろんキャンセルのメールがきたときは相当ムカッときたけれど、本当に引きずらなくなった。
過去に何度もここに書いているけれど「怒りを言語化しない」というポリシーが完全に身についたからだ。言語化しない怒りって持続しない。何となくムカついたという記憶だけなら、割とあっさりと忘れる。物理的に痛い思いをしたら忘れないけれど、言語のやりとりでムカついた場合は、脳内で蒸し返さなければ、あっさりと負の感情は蒸発してしまう。
昔は「昨日言い合いをしたのに、翌日には笑顔で話しかけてくれる人」がまったく理解できなかったし、異世界人のように感じていた。でも世の中、今までの経験則を総合してみると、負の感情を執念深く抱き続ける人間の方が、少数派だと気づいた。メンヘラの多い世界で生きてきたので、負の感情は固着して積み重なっていくのが人間だと思い込んでいた。