天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

手持ちのカードが少なくても

人はそれぞれ限られた能力しか持っていない。出自の違いで手持ちのカードの量には大きな差がある。持っていないカードを得ようとしても徒労に終わることが多い。

アレもないコレもないといって自分の人生を恨むことは容易い。持っている人間に嫉妬し、そのことだけで自分がマウントをとられているように、無駄な劣等感を感じて、人生を灰色に染め上げる。

絶望的な運動音痴・中学レベルの数学で赤点をとるほどの理系の低知能・スリーコードの曲さえ採譜できないほどの音楽的才能のなさ、些末な人間とのフリクションでうつ病を発してしまうメンタルの弱さ。私の思春期は足りない能力がバレないように孤独を選ぶという虚しい人生戦略をとってしまった。結果、劣等感から視線恐怖症に陥った。そんな人間が営業職を選んでしまったので、うつ病を繰り返し発症し、人生が迷走した。

このブログはながらく「わかりました あきらめましょう」というニヒリスティックなタイトルだった。持っていないカードについて嘆息しても、ないものはないのだから諦めるしかないという諦観が人生戦略になったからだ。

馬齢を重ねるうちに、劣等感や諦観を理由に、他者を疎んだり恨んだり嫉妬したりするのが不幸感の源泉だとは気づけた。そういう人間が端的に醜いということを、社会生活を通して嫌というほど身に沁みていたし、諍いの原因だと気づいたからだ。それに気づくまでの私の醜態に関しては本当に思い出したくない。

迷走の末、上記の有名なスヌーピーの台詞のような、手持ちのカードで生き延びる戦略を立てること。すくなくともリアル世界では他者に対して、性善説に基づいて礼儀正しく紳士的に人生を演じようという結論に落ち着いてからは、多少はマシになった。多少は・・・しかし多分に

別にこれは、大した悟りではなく、マジョリティのおじさん・おばさんはこの生き方に必然的に辿り着く。俺もその一人に過ぎない。

今日も生き抜こう。