常に舞台設定やキャラの設定に無理を感じるのに、その無理がすべて面白さに変化するマジック! 回を重ねるごとにすべてのキャラクターに対してドンドン実在感と愛おしさが(男女)問わず膨れ上がっていく高津ワールドは唯一無比のマネのしようのない作風が素晴らしい。
札幌のニュークラブ(彼の地ではキャバクラ=セクキャバになってしまうらしいので、こう呼ばれている)が舞台。ホストもホステスも男の娘もネコもいるというカオスなお店が舞台。夜の街が舞台なのに人間関係のこじれ方が妙に健康的で微笑ましい。
登場人物のほとんどがカップリングの相手がいて、すったもんだの組んずほぐれつの挙げ句にハッピーエンドというのが高津作品の一貫した構造だ。ニュークラブを舞台に選んだのは編集者の意向もあるのかな、そろそろアニメ化できる作品を描いてもらいたいという、編集部の意気込みを感じる。本の装丁もラメで光らせたりして気合いが入っている。
個人的に気に入っているのがこの二人。文章にするには特に難しい二人だけど、邪気の塊のような(実はお人好し)西園寺君と無垢で純粋で馬鹿な恵夢ちゃんの絡みが面白い。1巻の時点ではこの二人がカップリングされるとは思えなかっただけに、この二人が絡むだけで笑ってしまう。
マンガから縁遠くなっている人にこそ読んで欲しい作品です(^^)