唯一、紙の本を買い続ける漫画家になった高津カリノ先生の連載の「ダストボックス2.5」が無事に完結しました。
既に10年以上楽しんでいるわけで、これだけ長期間愛好している漫画家は他にいません。
なによりもの美点は「キャラクターの強度がメチャクチャに強い」ことです。初期設定は常にあまり上手くなくて、シチュエーションも初期のキャラ設定にも才気は感じられません。にもかかわらず、無茶ぶりのキャラの個性と舞台設定が描き手の愛情ゆえに、どんどん血肉がかよって、ほぼ全てのキャラクターが、回を重ねるごとに愛おしくて仕方がなくなります。
そういう作風なので面白さは右肩上がり系です。単行本の一巻を読んだだけでは設定の無理っぽさと、登場人物の多さについていけない読者も出そうです。Working!というデビュー作で大量のファンを獲得できたので、多くの愛読者はそれを知っているので、現在でもエニックス・スクエア系では看板漫画家の一人となっています。ただ新しいファンの獲得の勢いが弱く、近作がアニメ化されないのは、その弱点が足を引っ張っているからでしょう。
このダストボック2.5という作品もキャラが全員魅力的で、それも「男女問わず」なのがポイントです。少年誌掲載なのに女性のファンが多いのもこのあたりに理由があります。
上記のキャラの強度は連載作品以上に大量に描かれるサブエピソード(しかもフルカラー)で補填される点も強いです。今回も最終巻は6ですが、サブエピソードで7巻・8巻も同時発売されるぐらい、創作力が旺盛な先生です。
反面、虚弱体質の身体障害者であることもカミングアウトしていて、それ故に作品ではなく高津カリノ先生御自身にも私のような熱心なファンが多いです。
既に次の作品の連載が始まっていますが、次は是非是非アニメ化して欲しいですね。Working!は3期+別バージョンまで作られましたし、サーバントサービスのアニメもおもしろかったので(^^)