天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

できないと思い込んでいることを少しやってみる

人は皆「私にはできない」ことを山ほど抱えている。馬齢を重ねるほど、そのリストは積み上がっていく。

単にできないだけではなく、それをやろうとしたり、やらされようとしたら「驚くほど精神と肉体が拒絶する」そういう状態で固着化している。

人は自分にできないことをリストを積み上げることによって、生きていく上のリスクを最小限化するようにできている。
これは人間の特徴であり、進化した脳の恩恵でもある。

しかし、それがいきすぎると、世の中は「できないこと・やりたくないこと」だらけになってしまう。
自縄自縛に陥って日々「つまらない・つまらない」と嘯くようになる。そういう中高年は(私も含めて)とても多い。

そして、できること、とりあえず楽しめることを猿のように繰り返す。当然飽きる→つまらない こういう簡単な式ができあがってしまう。
しかし、この式で表される人生の倦怠感・行き詰まり感は深刻で、老いが苦しい理由にもなっている。自分を守るために積み上げてきた できないことのリストが、逆に個人を苦しめるのだ。

ならば

できないと思い込んでいること、やっても面白くないと思い込んでいること、一度の失敗で回避していること・・・
こういったことを「エイヤッと」もう一度少しだけやってみるのは、行き詰まった人生のブレイクスルーになるかもしれない。

俺は絶対働けない(人が怖いから)と引きこもっていた人がいた。
しかし、経済的に困窮してやむを得ず働きに出た(働くぐらいなら死にたいと言っていた)

結果、幸運にも極めて優しい人たちのいる職場で、頑なな心が解けていき、思い込みから解放され、彼に笑顔が戻った。
年齢的にアウトだけれど、それでも職場の少し年下の女性といい感じなのだという。(彼は20年近く引きこもっていた)

他にも運動なんてしんどいだけだと言っていた人がジム通いに嵌まったり
無理矢理連れて行かれた寄席で落語に嵌まって通い詰めている人もいる。

自分に対する思い込みを「いったん脇に置いて」あえて苦手なこと嫌なことに飛び込んでみる。

これは寂しい退屈な中高年にとって、人生を変える特効薬なのかもしれない。