親世代では「ちゃんとした企業に定年まで勤めて結婚して子どもがいる」が普通の最低ラインだった。そうでない不肖の息子をもった私の母親の劣等感は相当のものである。
翻って学生時代の旧友達のその後を鑑みるにその「普通」がほぼいない。基準を満たしそうだった連中もリーマンショックにおける退職勧告等でほぼ討ち死にした。交友関係が狭かったというのもあるけれども、幸せそうなのは親の後を継いで社長をやっている輩ばかりだ（それでも離婚とか多いけど）。
普通がない時代。コロナウィルスで経済が間違いなく死に至るので、旧世代における「普通」は高確率で死滅しそう。とはいえ、世間がどうなろうと安定した高額の年金所得がある団塊の世代からは、旧い価値基準から逸脱した我々は今後も見下された存在として扱われるのだろう。老人にどう思われようと構わないけどさ。
