嫉妬という感情に縁がない。意識していないだけで実は相当嫉妬深いという可能性も考えた。でもどう探しても見つからない。一方、嫉妬されるような優れた人に、認めてもらいたい褒めてもらいたいという欲望は人一倍強い。
承認欲求と嫉妬の感情が類似の感情なのかどうかも判らない。そもそも「嫉妬」という言葉がもっとも使用される恋愛のシチュエーションの現場にいた記憶がない。リビドー的な欲動は若いときから相応にあったけれども、異性に関して嫉妬的な感情を抱いた記憶がない。
自分は特別だという根拠のない思い上がりがひどかったのか、逆に自分に自信があまりも足りなくて嫉妬が発生しようがなかったのか・・・わからない。そんな俺だから創作物で嫉妬がテーマになると途端に物語世界と距離をおいてしまうことがままある。サブカルの「ツンデレ」タイプの嫉妬の表現はレトリックの一つとしてあまりにもよく目にするので笑えるようにはなった。しかし、それ以外の嫉妬に関わる諸表現は、違う生命体を観察するよう気持ちになってしまって全く感情移入できない。
書いていて混乱してきたので「嫉妬」の意味を辞書で調べ直した。
嫉妬《名・ス他》
- 他人が自分より恵まれていたり、すぐれていることに対して、うらやみねたむこと。 「兄弟分の出世に―する」
- 自分の愛する者の愛情が他に向くのを恨み憎むこと。