天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

綿本彰氏の著書

一瞬で自己肯定を上げる瞑想法

一瞬で自己肯定を上げる瞑想法

綿本先生は私のヨガの師匠が尊敬する人です。尊敬している人が尊敬している人の著書なので、120%の信頼感をもって読みました。この人は瞑想とヨガについて、日本でもっとも深く考え実行してきた一人です。現在のマインドフルネスブームを20年も先駆けて啓蒙し続けた方です。

著書は多いですがヨガや瞑想のメソッド中心の記載でした。この本では珍しくマインドフルネス的な観点から人生哲学を説いています。平易で明瞭な文章ながら、類書では書いてありそうで書かれていない内容が満載です。真に瞑想を深めた人にしか見えない世界についての記述は、読むだけである種の瞑想の成果として得られる何かを読み取ることができそうです。

類書のように「ポジティヴシンキング」については言及していませんが、ひたすら万事を肯定することを勧めています。理性と感情・記憶・身体感覚のフリクションが苦悩の根源なのだと私には読み取れました。心を病むとは、理性が自分について歪んだ理解をしてしまうことなのです。感情・記憶・身体感覚について、理性を使って理解を試みるよりも、発生したそれらを「ただ眺める・価値判断をせずに肯定する」ことによって心の安寧を得る手段が瞑想(マインドフルネス)なのです。

理性(言葉と論理)に自我を預けすぎると、過去の悔恨・トラウマや未来の不安、さらに「他者から私はこう見られている、思われているのではないか」という終わることのない思考に人は苦しみ続けます。それを止めて、自分に発生した感情・感覚を理性の力を使わずに全て肯定する、こういう態度を瞑想という手段で身体化して心の平穏に至るのです。

ブログの更新に空白ができたのはこの本を読んだからです。言葉にならないことまで無理に言語化する弊害について、あまりに自分は無頓着でした。自我の内部に発生したなにかを直ぐに理性で解釈したり記述するのは、弊害の方がずっと多いのではと考えるようになりました。

無意味な思考や殴り書きの記述より大切なことがあるはずです
書くという行為にも、もっと高次の目的意識を持つべきでは・・ そんなパラダイム変換の中途にある霜月の私です。