天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

ポートレイト・イン・ジャズ

先日チャットでこの本を話題にして、久しぶり(といっても2年ぶりぐらいだけど)に読み直した。彼の紡ぐ小説はまったく肌に合わないが、エッセーは穴が空くほど繰り返し読むぐらい好きだ。特に音楽に関する文章は彼の美質が最大限生かされていると勝手に思っている。

で、村上春樹について語りたいのではなく、ジャズの方だ。日本人は特異的に電化される前のジャズ、特にハードバップ系が大好きで、バブル期は毎年大量のジャズのビックネームが日本に出稼ぎに来た。平成の前半ぐらいまで、ジャズを愛好するオジサン達がせっせとレコードやCDを買いあさり、関連の書籍も大量に出た。

彼らが老いて出版不況も重なり、モダンジャズを偏愛する購買層は高齢化して、語る人もグワッと減ってしまった。

私とジャズ

この本を愛読しているように、ジャズそのものを愛好するというより、愛好者の偏愛を眺める方が好きだったりする。名盤紹介の中古の新書を100円で買って読み流して、気になったアルバムをレンタルしてダビングしたりリッピングしたりした。

そんな感じで概ねジャズの名盤といわれる100枚ぐらいに関しては結局全部聞いてしまった。やはり良いものは良く、聞いていて退屈を感じる音源はなかった。しかし、このジャンルに対しては微妙に距離感があった。一部のジャズオジさんの仲間に加わりたくない、そんな主観的な理由が大きかったのかもしれない。

要は音楽に感動する前に、語り尽くされた偏愛テキストが先行して世に瀰漫していたので、自分の音楽に出来なかった。。ザックリいうとそういう感じだ。

サブスクリプションとJAZZ

ハードバップ迄のジャズは既に古典化しているので、名盤とされている音源は100%に近い率で直ぐにアクセスできる。ハイレゾリマスターでマイルズデイヴィスなんかを聴くと、よいなぁと思う一方、こういうのはアナログ盤で聴きたいという、変な欲求が出てくる。

というわけで、昨日今日とジャズを聴いている。寒波到来の寒い時期に聴く熱い演奏は悪くない。