天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

不幸・幸福・物質

持病の背中の疼痛が酷くなって「痛くなければ幸せだ」みたいなことをさんざん書いてきた。

それが真実から離れていないことを脳科学の本で知った。己の感覚と理屈がかみ合ったみたいで興味深い。これまで快楽は「ドーパミン」という脳内物質が司っていることが知られていた。だからドーパミンを放出させる覚醒剤に陥る人がなくならない。しかし、ドーパミンが関係するのは「快感」であって「幸福感」ではないということが明らかになってきたらしい。

幸福感に関係する脳内物質がなんと「オピオイド系物質」なのだそうだ。モルヒネやヘロインといったダウナー麻薬と同じ系統である。最近アメリカを中心に欧米の社会を蝕んでいる鎮痛剤中毒もオキシコドンを中心としたオピオイド系だ。

モルヒネは鎮痛剤の王様だ。末期癌の耐えがたい痛みを大きく和らげてくれる。この痛くない感覚と幸福感が、脳科学的には極めて近似の感覚であるという。痛くないというのは痛みを感じないだけに留まらず、幸福感にダイレクトに繋がっていることが明らかになってきた。

先日、アメリカの社会ドキュメンタリーで鎮痛剤依存患者の様子が映し出された。禁断症状が出るまで悪化したので、薬が切れると地獄が待っている。しかしクスリさえあれば「何物にも代えがたい幸せ」を得られると恍惚とした表情で語っていた。この心地よさは覚醒剤やコカインといったアッパー系麻薬とはまったく違う系統の気持ちよさで、より精神依存度が強い。不幸な人間が化学物質を体内に取り入れることで、簡単に(脳医学的には、一般的にいわれる幸せと本質的な違いのない)幸福感が手に入るのだ。

前述したことをひっくり返すと、痛み=不幸という等式も成り立つ。不幸を感じる瞬間と、痛みという苦痛を感じる瞬間を比較しても、脳からみれば質的にも同じことなのだ。

実際、不運だ不幸だトラウマだ、あいつが憎い、あの失敗さえなければと様々な形の不幸を感じていても、静脈にオピオイド系物質を注射すれば、不幸な感覚や思考は持続不可能だ、そんなのはどこかへ行ってしまう。

我々の脳内に現れる心の実体は、様々な脳内物質と脳内神経の化学的反応に過ぎない。トラウマをスティグマのように思い込んでいる不機嫌な人間だって、脳内にある種の物質が溢れたら、嫌でも幸せになってしまう。心なんて、その程度のものなのだ。

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経済ひとりごと

母体会社の年末年始休業が1月6日までとなった。4日が平日だったら、これまでは頑なに営業していたのに、予想外の方向転換。社員の補充が上手くいっていないことが、電話が繋がりにくくなったことから察せられるので、社員を労る方向に変えざるを得なかったと推察する。

人手不足が深刻になったので、政府は慌てて実質上の移民を解禁した。性急にやったと批判されているにもかかわらず、この程度の受け入れ枠拡大では焼け石に水だろう。

永らくのデフレ不況で、企業は労働力を買い叩くのになれているので、異常なほどに賃金の下方硬直性がたかい。しかし、おそらく臨界点を超えたら、余力のある企業から、非正規雇用の賃金を上げる方向に舵を切りそうだ。そこに消費税増税が被さってくるから、体力のない企業の破綻が大幅に増えそうだ。

悪い影響の方が多そうだが、30代ぐらいまでの非正規労働者の将来には、光明が差し明るい未来も期待できる。そうはいっても、40代以上の労働者にまで恩恵が波及するかどうかは未知数だ。特に職能・技能のない人間は厳しい。

RSSに登録している私小説系のブログで、派遣女性の貧乏雑記の執筆者には職が紹介されない。人手不足のご時世でも、中年女性に事務職の仕事は回ってこないのだ。単純労働系事務職というのは勤労意欲の低い女性による争奪戦になっている。高学歴の新卒でさえ、一般事務職に限ると、AIの普及と普及見込みにともなって、就業のパイがどんどん減っている。職能を求められない事務職には先がない。

さて自分のことになると、今の生業が大きく失速しない限り、衣食住の保全と若干の娯楽を愉しむだけの収入は当面確保出来そうだ。所属している業界も負け組が淘汰されて、新規参入が激減しているので、母体会社がちゃんと継続する限り、老齢になっても路頭に迷うようなことはないと楽観している。なんとか人材を大切にして安定した経営をして欲しいと切願。

石階段

熊野神社

今回はここへ行く目的ではなく、図書館へ行く途中で立ち寄りました。平清盛が福原に遷都したときに、信仰していた紀伊熊野の神様を分祀したのが由来らしいです。福原は1年足らずしか都でなかったので、せっかく分祀された神様も以後雑な扱いを受け、ちゃんとこのように立派に祀られるようになったのは明治以降とのことです。


熊野神社(神戸市兵庫区熊野町) : 古代史探訪
神戸市中央区にも熊野神社があります。

多井畑厄神

唐突に始まった「行ったことがない近所の有名神社仏閣に行ってみよう」シリーズ第2弾です。自宅から近いけれども、交通の便が悪いので行ったことがなかった多井畑厄神に行ってきました。奈良時代末期に摂津と播磨の境にあるこの地に大厄を祓うために建てられたのが由来だそうです。

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多井畑厄除八幡宮 - Wikipedia

霜月雑記

体調は芳しくないが、ビジネスは復調している。今日は暇だが、月半ばにやっとそう思えたのだから、焦る必要は皆無だ。例年11月は一番数字が見込める月だから、不調だったら本当に心配なので、現状に安堵しているわけではない。

そうはいっても、懐を温かくして新年を迎えられるというのは、有り難いことだ。先月から月々の貯蓄金額を倍にした。やはり老境が視界に入ってくると、吝嗇傾向が加速する。細々と出費を気にするぐらいなら入金時に相当額を天引きしてしまえばよい。もうあまり欲しいものもないし。

永らく物欲を刺激してきたオーディオ機器やデジタルガシェットに興味がなくなった。欲しいものがある方が、生きていて楽しい面はあるのだけれども、衝動買いで懐を寒くするリスクを減らせるので、興味がないままで構わない。

今日の窓外

【愛聴盤】Together Alone / Crowded House

Together Alone

Together Alone

愛聴盤。ダーク・メランコリック・メロディアスと三拍子揃った名盤。営業職が肌に合わず鬱々していた1993年に繰り返し聴いた。未だに90年代のアルバムはサウンドが新しい感じがする。

曲としては1986年のこれが圧倒的に有名。
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