以前からストーリー展開を楽しむ創作物の消化力が弱い。活字は好きだが小説は読まない。それどころかマンガでさえストーリーで読ませるタイプは楽しめない、というか集中力が保てず物語の世界に入り込めない。20分少々のアニメすら一気に観ることが困難だったりする。
意を決して映画館に足を運べば、ちゃんと最後まで楽しめるし感動もできる。なので脳の器質的な問題というより、短時間で終わるコンテンツに親しみすぎたり、レトリックの巧みさに軸足を置いた創作物に愛着がありすぎるが故なのか。
最後まで楽しめた映画作品でさえ、中盤で盛り上がったところで「これでエンディングかな?」と勘違いして、実はまだ物語の折り返し点だった、みたいなことが煩雑にある。どうも他の世界に我を忘れて没入するというのが苦手みたいだ。
毎日映画を一本堪能して、常に読み進めている長編小説がある。なんて自分になりたいのだが、今更無理なのかな。単に趣味趣向の傾向を超えて、自身の心理的構造な瑕疵が表出している可能性がある。この辺りについて、自己洞察を深める価値はありそうだ。