わかりました あきらめましょう。

私は進歩しない 旅をするのだ

テキストの限界

ぼくたちは今までの価値観をひっくり返されるような言葉を探している。そういう言葉を発する人を探すのかもしれないし、そういう内容の本との邂逅を期待している。

しかし、テキストとの出会いによって目が覚めることよりも、何らかの"体験"によって変わる人の方が多い。論理的に築かれた言葉よりも、時の流れのなかで五感を通して得た「何か」をぼくたちは重視する。

同じテキストを読んでも、読んだ年齢やその時の自然環境・人間関係によって、テキストの強度に違いが出る。時代や性別によっても違うだろう。だから自分が感銘を受けた文章が他者には響かなかったり、感激した書籍が紙くず扱いされたりする。

僕は自分が納得した理屈を他者に押しつける悪癖がある。理屈は言葉のかたまりに過ぎず、それが他者に届かないからといって不満を持つのは傲慢だ。そういう当たり前をなかなか理解できなかったゆえに随分と世界を狭くしてしまった。

論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (岩波文庫)