天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

教養劣化

この齢になると己の知性に対する妄想はなくなる。どうひねっても知性の底の浅さを認めざるを得なくなる。それだけにというかそれ故に読後に自分の知性が底上げされたように感じる書籍を読むことが長らくの楽しみだった。

思いたって「最近読んだ本」を思い起こすと、その類の「読めば知恵が増えるタイプの本」の読書量が著しく減っていることに気がついた。同じような傾向の本ばかりを入手するので読み飽きたという理由もあるだろう。知性の硬直化で新しい分野を掘る意欲が萎えているという理由も大きそうだ。

以前読書に費やしていた時間をタブレットの単純なパズルゲームや、読むのに知的負荷がかからない4コママンガの電子書籍を繰り返し眺めることが圧倒的に増えた。あとは眺めているだけでよいテレビのドキュメンタリー系の録画でボンヤリと時間を費消している。

思い起こせば大学時代にニーチェを知ったときの興奮を30年近く追い続けた末に「あのような邂逅は二度も三度もあるものではない」とついに諦念に達したのだろう。感受性が鈍り脳内麻薬の出が悪くなっているので知的な快楽目当ての読書はもう限界なのかもしれない。

無理に読書を自分に強いる気はない。本を読むのはあくまでも趣味であり娯楽であるからだ。ただ新しい分野への扉を開いてくれるのは、いつだって本だ。残量の減った好奇心を大切に運用して新しい教養を得る意志を失わない方が、余生も楽なはずだ。

善悪の彼岸 (岩波文庫)

善悪の彼岸 (岩波文庫)

六月雑記録-2

昨日はイベント満載で私のような人間にはお祭りのような一日だった。

宝塚記念

基本G1しか買わないので上半期の総決算。1-6番人気が総崩れという大荒れの結末。ちゃんと予想すればするほど当たりから遠ざかる馬券なので、当たった人は博打志向の人たちだろう。その割に驚くような配当にはならなかったのをみて、最近の馬券師は本当によく考えて買っているなぁと。堅実な実力派なのになぜかテイエムオペラオー以来G1に縁がなかった和田騎手が17年ぶりの栄光。こういう結果だと外れても清々しい。2着が香港馬ワーザーだったので、ネット上ではワーダー・ワーザー馬券と揶揄された。W杯なのでWなのだろうか(陰謀論)

水瀬いのり 神戸公演 感想

このライブチケットを入手したから馴染みのないタイプの音楽を予習として聞き続けた。それは報われた。あのタイプの曲はステージ映えするということがよくわかった。生で聞いて初めて良さがわかった曲が多かった。2階席なので彼女の顔は点にしか見えなかった。オペラグラスぐらい用意すればよかった。危惧したほどには客もヲタくさくなく、女性ファンも多かった。声優の歌業とはいえないほど歌が上手いのに驚愕した。普段来日お爺さんレジェンドやアマのトリビュートバンドばかり観ているので、あれだけの広い声域を必要とする曲で、音程を一切外さずに唄いきるプロフェッショナルの力に感心した。MCも堂々としてメンタルの強い女の子だった。次のライブもチケットが入手できたら行きたいと思えるぐらいには感動した。

ワールドカップ

試合開始前に熟睡してしまった。ハッと目が覚めると試合が終わっていた。エキサイトな内容だったらしいので見逃したのは悔しい。勝ち点を挙げたことや本田圭佑が面目躍如だったことより、川島GKが不憫。。

有名ブロガーが殺害される

上記のイベントとは異質の残念な事件。常に煽りすぎなところがあったので人に怨まれるリスクに負けてしまったということだろうか。あれだけ煽りながら全体としては好意的に存在が受け取られていたのは、通底する正義感に筋が通っていたからだ。過剰暴走して正義が悪に転換するギリギリのところを見極めるのが上手いという印象だった。正義感があってもハンドルネームで人を煽るのはやはりよくないという結論になるのでしょうか、ご冥福をお祈りいたします。

スポーツ鑑賞に興じる力

流行り物には背を向けるひねた性質で過去のワールドカップには関心がなかった。しかし、今回は就寝までの時間に行われる2試合はほぼすべて観ている。ワールドカップという舞台で全身全霊で闘う選手は素直にカッコいい。ちゃんと観るとサッカーの前後半の45分ずつという時間がぜんぜん長くないことがわかる。めまぐるしくボールが動き回るとはいえ、人間の物理的動きの中で行われるので、観る娯楽としては過度に忙しくないのもよい。

長らく欠かさず鑑賞しているのは競馬の重賞ぐらいで、スポーツ全般の鑑賞にはあまり興味がない。一時的にF1・NBA・高校野球に興じたことはあったけれど、なぜか継続的に興味を持てない。映画鑑賞もあまりしない方で、テレビの前に鎮座し続けるのが気質的に嫌いなのかもしれない。仕事で終日モニターと対峙しているので、オフの時間まで画面を見続けたくないという深層心理が伏流しているのがその原因なのかと考えている。

競馬は数分で決着がつくので、そのあたりが相性がよいのだろう。あと血統鑑賞が趣味なので出走馬の血統表を閲しつつレースを楽しむ習慣が身に染みついている。

両親や親戚の叔父・叔母もスポーツ鑑賞に余生を費やしている。横浜の叔父・叔母は長年ワールドカップの開催国に足を運ぶフリークだ(ロシア大会はハリル更迭の印象が悪いので行くのをやめたそうだが、初戦の勝利で悔しがっているだろう)プロ野球とサッカーを日頃から楽しんでいれば、多くの人との会話に困ることも減る。ただ功利主義的な理由で娯楽を選ぶ気は起きない。

もうすぐ地元ヴィッセル神戸に世界的プレイヤーであるイニエスタがやってくる。神戸がサッカーが盛り上がることは確実だ。ヴィッセル神戸はその前進であるダイエーが運営していた「オレンジサッカークラブ」の時から知っている。しかし、私は根っからのアンチ楽天なので、三木谷氏が関わるヴィッセル神戸を応援する気には絶対になれそうもない。それでもイニエスタ在籍中に一度は席を確保してスーパースターのパフォーマンスを生で観てみたい。

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【名盤】牧野由依「天球の音楽」

邦楽の女性ボーカルアルバムで最も愛好する一枚だ。名プロデューサー牧野信博の令嬢として早くから芸能界で活動してきた牧野由依が、声優デビュー後に発表した1stアルバムだ。現在は声優としての知名度が最も高いが、まず世に知られたのは子役・ピアニストとしてだった。

粗製乱造の傾向が強い声優のアルバムとは違い、父が父だけに関係者もいい加減な仕事はできないと考えたのだろう。打ち込みが多い声優のアルバムとは異なり、生楽器やオーケストラを多用した贅沢な一枚となっている。

名盤である理由

声質

まず牧野由依自身の資質としての「甘く柔らかで聖母性を感じさせる声質」という特徴が際立っている。個人的に彼女の魅力の8割が魅力的な歌声に由来する。子役・ピアニストとして出発しながら、声優を活動のメインに選んだのは彼女の美質の多くがその声に寄るところが大きいからだろう。

菅野よう子梶浦由記かの香織といったビッグネームの参加

このようなビッグネームが名前を連ねるのは父の威光ゆえだろう。それぞれ気合いの入った楽曲を提供している。特に、かの香織が提供した「アムリタ」は普遍的な名曲として現在でもラジオのアニソン特集等における定番の一曲となっている。

オムナマグニ(菅野よう子

アムリタ(かの香織

ARIAというアニメ作品のメインボーカリストを担当

このアニメは尋常でない熱量でサウンドトラックがつくられている。曲はいずれも美しい世界観に彩られた優しい曲ばかりで、牧野由依の声質にこれ以上ないほどマッチしている。奇跡の邂逅といっても過言ではない。下記以外のウィンディーネ・ユーフォリア・雨降花も素晴らしい。

シンフォニー

アムリタに匹敵する名曲「もどかしい世界の上で」収録

大ヒットアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の後継番組として放映された『N・H・Kにようこそ!』のヒロインを牧野が担当、声優としても嵌まり役であり、2クール目のエンディングテーマの「もどかしい世界の上で」が素晴らしい曲だった。私がこのアルバムを入手する切っ掛けになった忘れられない曲である。

もどかしい世界の上で

奇跡の一枚だった。

全曲名曲というわけではないが、大半の曲が素晴らしく、長らく語り継がれるであろう曲も複数収録されている。様々な条件が重なって一人の声優のアルバムとしてのカテゴリを大きく超越したゆえの名盤となった。

その後の牧野由依

残念ながら奇跡は奇跡であり、気の抜けたサイダーのような2ndアルバムで多くの人を失望させた後、起死回生の3rdアルバムで若干の名誉を回復するが、それでも1stの出来には遠く及ばずミュージシャンとしての勢いは潰えてしまった。その後、アイドルマスターの某役で声優としての人気を回復させるが、それ以降のことには興味はない。現在32才だが、減ったとはいうものの、コンスタントに声優としての仕事はあるようだ。個人的には「天球の音楽」における牧野由依が彼女のすべてである。

六月雑記録

枕を買い換える

5年前後使用した「そば殻まくら」が破けて殻が吹き出した。補修して使っていたが昨晩さらに派手に破けた。仕方がないので買い換えた。そば殻まくらは安い。それなりの出費を覚悟していたので拍子抜けだ。

地震

今朝地震があった。目が覚めてボンヤリとしている時間帯だったから怖かった。忘れているようで大きめの地震の時は阪神大震災の揺れを思いだしてしまう。通勤のない私には関係がないが関西の交通機関が乱れまくった。ガスが2時間ほど停止した以外は当方に実害はなかった。

スニーカーを買う

ずっとフィットネスは間に合わせの一足1,500円のボロ靴でやり過ごしてきた。さすがにちゃんとした靴が欲しくなったので三宮で買った。ナイキの6,800円の黒い一足だ。せめてこの靴を履きつぶすぐらいまでは続けたいものだ。

自作PCファイナル

稼働しても不安定だった。ブルースクリーンが頻発するので英語のエラーメッセージを検索エンジンで執拗に調べた。「メモリの相性が悪い」という結論に達して、「Ryzenと相性のよいメモリ」というキーワードで見つけたメモリに差し替えたら、極めて堅牢なシステムに生まれ変わった。よく聞く「メモリの相性」って都市伝説ではなかったのだ実感した。インテルのCPUよりは相性問題が出やすいのかもしれない。