天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

Strawberry Fields Forever ジョンの無茶振り説の虚実

野咲良氏のトークセッションの備忘録のその2です。

Strawberry Fields Foreverはまったくキーもスピードも違う二つのバージョンをジョン・レノンの要望でジョージ・マーティンが力業で一つにまとめたというのが定説というか伝説になっています。どうやらそれが違うらしいというお話しです。

上記のバージョン3と呼ばれるトランペットとチェロで構成された、正規テイクの後半で使われた箇所ですが、これは最初からバージョン2の完成品であるTake7に繋げる目的で録音されたというのが正しいようです。ジョンが無茶振りをして、ジョージ・マーティンがなんとかしたというのは事実に反するのですね。

この曲の冒頭がファンファーレ的な雑なスコアになっているのは、最初から使わない予定だったから、というのがその理由です。さらなる証拠に、このバージョン3に乗せたジョンのボーカルが歌詞の1番を飛ばしています。最初から繋げる目的なので1番を唄う必要がなかったからです。

会場から「それであるならば、なぜバージョン3のキーとテンポが2と違うのか?」という質問が出ました。バージョン2 take7のキーはB♭(演奏はAで録音)、バージョン3はCです。チェロで出せる一番低い音がCなのがその理由、回転数を落としてB♭にするためにテンポも変えたという、これまた説得力のある説明でした。

デビュー時の逸話もそうですが、ジョージ・マーティンの発言や著書が出典の伝説には事実と異なる点が多いようです。このあたりに関してはマーク・ルイソンが刊行中の伝記でさらに明らかになることでしょう。

完成バージョン

節目

今の稼業を初めて10月で満10年になる。節目が理由なのか、単調だったここ数年と比較すると、本年は腰の大怪我を含めて、将来振り返ったときに思い出深い特別な年になりそうだ。自社サイト完全リニューアルという大仕事の中途なので、下半期が踏ん張り時だ。あと一年でこの世に生を受けてちょうど半世紀になるわけだし、暑さに負けずゆるりと努力していきたい。

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A Day In The Life のAh~♪はポールかジョンか問題

ビートルファンの間で長年決着のついていない論争の代表格が、「A Day In The Life のAh~♪はポールかジョンか問題」です。もっと上手な書き表し方があるとおもうのですが、音楽用語に疎い私には思いつきません。曲の中盤でポールが唄う箇所があり、そこからジョンレノンのパートに繋ぐ深いエコーがかかったAh~というコードの逆進行を使った箇所を、ジョンとポールのどちらが唄っているのかという論争です。

THE BEATLES - A Day In The Life 2:45から
www.youtube.com


私は以前から「この箇所はポールが創った箇所の続きだから彼が唄っている」と信じていました。しかし、特にトリビュートバンドの皆さんに聴くと9割方「あの声はジョンの声だ」と断言される方の方が多くて、私もその意見に傾きつつありました。

自分の耳を信じる人はジョンだと考え、曲の成り立ちから考える人はポールという感じでしょうか。そこで長年の謎を解くために、野咲氏に質問してみました。すると「この問題は喧嘩のタネになるので~」と苦笑されながら、レコーディングの過程から推察するにポールの可能性が高いだろうという回答でした。

メモをとりながらトークセッションを聞いていたわけではないので、間違った情報をここに書いて野咲氏の名誉を穢すのは避けたいのですが、曲の成り立ちと4トラックに複雑な曲を纏め上げる過程を丁寧に検証していくと、そういう結論になります。会場にはジョン派の方もいたのですが、リバーブをかけていない状態での例の箇所の音源を聞いたときに、その人も「あぁこれはポールだね」と納得したので、少なくとも検証の結果としてはポールということでよいみたいです。

ジョンがポールの唄い方に似せることはありませんでしたが、ポールは曲によって、声質をジョンに近づける器用さがあります。顕著なのはFor Saleに収録されているWords of Love でしょうか。
youtu.be

ジョンパートに繋ぐために、ジョンの声質に寄せてポールが唄ったという結論でよろしいかと私は考えます。ジョンのように聞こえるのはポールの器用さとリバーブの深さがジョンのパートの方に近いからだと考えます。

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帰宅

最近の上京の中では一番楽しかった。時間をもてあますことなしに、滞在時間すべてを満喫できてよかった。早めに予定を立てるとメリットが多いということを強く実感した。あと往復空路だと本当に楽だ。

初日と翌日の旧友との再会については改めて書きたい。昨夜、日本のビートルズ史研究の第一人者である野咲氏のトークセッションに参加できたことに大感激。会場には名の知れたライター様が何人かいて、アカデミックな雰囲気が素敵だった。一次資料を憶測抜きで読み直すことによって、新たな真実を炙り出す研究方法には感心しきりだった。知っているつもりが間違って覚えていたことも多かった。レアなレコーディング風景を撮ったスタジオ写真をたくさん観られたのも眼福だった。

最後に野咲氏に挨拶したら、Twitterでときどき絡んでいることを、ちゃんと記憶して下さっていたのには感激した。いま思えば、サインか一緒に写真を撮ってもらえばよかったなぁと後悔している。東京はこういうマニアックなコミュニティに気楽に参加できる土壌があって、その点に関しては本当に羨ましい。

渋谷の例の交差点

上京準備

まだ何の準備もしていない。ちらっと白髪を染めようかと考えたけれども止めた。メンヘラー仲間なので格好つけても仕方がない。

飛行機をつかうとあっという間なので、気分的には京都に行くのとたいして変わらない。

一昨日から体調が優れない。旅行の高揚感で体が軽くなればよいのだけれども。