ビートルファンの間で長年決着のついていない論争の代表格が、「A Day In The Life のAh~♪はポールかジョンか問題」です。もっと上手な書き表し方があるとおもうのですが、音楽用語に疎い私には思いつきません。曲の中盤でポールが唄う箇所があり、そこからジョンレノンのパートに繋ぐ深いエコーがかかったAh~というコードの逆進行を使った箇所を、ジョンとポールのどちらが唄っているのかという論争です。
THE BEATLES - A Day In The Life 2:45から
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私は以前から「この箇所はポールが創った箇所の続きだから彼が唄っている」と信じていました。しかし、特にトリビュートバンドの皆さんに聴くと9割方「あの声はジョンの声だ」と断言される方の方が多くて、私もその意見に傾きつつありました。
自分の耳を信じる人はジョンだと考え、曲の成り立ちから考える人はポールという感じでしょうか。そこで長年の謎を解くために、野咲氏に質問してみました。すると「この問題は喧嘩のタネになるので~」と苦笑されながら、レコーディングの過程から推察するにポールの可能性が高いだろうという回答でした。
メモをとりながらトークセッションを聞いていたわけではないので、間違った情報をここに書いて野咲氏の名誉を穢すのは避けたいのですが、曲の成り立ちと4トラックに複雑な曲を纏め上げる過程を丁寧に検証していくと、そういう結論になります。会場にはジョン派の方もいたのですが、リバーブをかけていない状態での例の箇所の音源を聞いたときに、その人も「あぁこれはポールだね」と納得したので、少なくとも検証の結果としてはポールということでよいみたいです。
ジョンがポールの唄い方に似せることはありませんでしたが、ポールは曲によって、声質をジョンに近づける器用さがあります。顕著なのはFor Saleに収録されているWords of Love でしょうか。
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ジョンパートに繋ぐために、ジョンの声質に寄せてポールが唄ったという結論でよろしいかと私は考えます。ジョンのように聞こえるのはポールの器用さとリバーブの深さがジョンのパートの方に近いからだと考えます。
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