天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

私憤と社会正義の溝

この度の騒動で嫌な思いをされた全ての方に心よりお詫び申し上げます。 : 長谷川豊 公式コラム 『本気論 本音論』

この期に及んで、あくまでも「間違ったタイトル」と「全文を読んだ上で文脈を解釈しない愚民ども」が悪いと信じているようだ。今さら、長谷川氏のパーソナリティについて論じても仕方がないが、私憤と社会正義を直結させる思考回路に引っかかりがあるので、そのことについて書いてみたい。

体験に基づく感情、とくに負の感情をどう処理するかというのは品性に直結する。10人の患者がいて、そのうち9人が羊のように従順に治療を受けていたとしても、1人の横暴で品格のない患者に遭遇してしまうと、発生する感情の9割はその1人にフォーカスしてしまう。人は本能的に(身を守るために)負の感情を処理することに思考が集中する、そのように出来ている。

現場の仕事のメインは(医療現場にかかわらず)多数派の人たちに対するものであるのは当たり前、そして少数派への対処も独立した任務であり、それはそれとして当然、仕事として処理する。現場とはそういうものだ。
一方、ジャーナリストの仕事は、多数に埋もれた一部の悪の糾弾にある。しかし、それが諸問題の原因であるかのように短絡してしまっては、現場の人からみれば思慮が浅薄としか思われないだろう。

社会問題の原因に特定の悪人がいるという考え方は普通に世の中に転がっている。すべての問題の原因は悪人の存在に起因するという素朴な因果論。これって悪人存在の有無よりも問題だ。この考え方の延長線上には「悪人を排除すれば社会正義が実現する」という考えに繋がる。長谷川豊氏の問題とまったく同じ。

「悪の原因があればそれを排除すれば良い」「悪は隠れているから、それを見つけて告発するのは絶対正義だ」こういった考え方は一見まったく正しく見える。

「自堕落な生活の果てに公金を湯水のように費消する一部の糖尿病患者は悪に決まっているという」理屈に反論するのは難しい。しかしだからといって悪人の告発者を正義の具現者として祭り上げてはならない。過去を遡れば悪の告発の名の下に、どれだけ凄惨なことが繰り返し行われたかは歴史書を読めば枚挙に暇がない。悪とは相対的な概念に過ぎないからだ。

悪を糾弾することに血眼になっている人たちというのは、いつの時代でも、どの場所でもたくさんいる。しかし、私憤を社会正義と直結させてドヤ顔している人たちが、本当に社会正義の実現に一役を担っているかといえば、長谷川豊氏の炎上にみられるように懐疑的にならざるを得ない。

悪を糾弾したはずの長谷川氏が悪人として多くの仕事を失った事実が我々に示唆していることは多い。安易に悪を糾弾する人は、糾弾される側と常に背中合わせだ。私憤の正義を信じて疑わない人たちというのは「疑わない」時点でイデオロギー化して危ない。イデオロギーの根拠は掘り下げると、どこかで必ず同語反復になる。いかなるイデオロギーも状況次第で悪に変貌するのは歴史が教えるところだ。

私憤と社会正義の実現を直結回路してしまう浅はかさは、ネトウヨ・極左市民団体の愚かさとよく似ている。そしてこの愚かさが世界規模で瀰漫しているように感じる。(移民排斥とかトランプ支持とか)個人的には「憤り」をエネルギーに動く人たちや社会風潮に距離をおきたいと考えている。それは決してニヒリズムではなく、地に足をつけて真の社会正義の礎を築く人たちの一員になるための参加資格なのだ。

電子書籍徒然

アマゾン「キンドル アンリミテッド」サービスにおける
講談社作品の配信停止につきまして 講談社

世間の瞬時の理解では「講談社が儲からない読み放題ビジネスから撤退した」と理解されるかもしれない。実際は正反対で「せっかく儲かっていたのに一方的にラインナップから外すなよ」と出版社の方が読み放題のビジネスモデルを大歓迎しているのに、Amazonの方が「収入よりも支出が多いので売れ筋は削除するよ」と自らがシステムを司っている権利で講談社の商機を奪ったので喧嘩になっている。

出版の利益率の低さを考えると、すでに商品としては死んでいたはずのテキストが急に金のなる木に変わってしかも在庫費用も流通費用もゼロというパラダイス。良質のコンテンツを多数保持している講談社のような大手や有名作家にはいいことずくめだったようだ。

ちょっと前までは電子書籍は出版の敵みたいな空気だったのに、この逆転現象変は傍からみると単純に面白い。この抗議の内容は契約違反を訴えているのではなく、かなり情緒的な内容なので、講談社側としても冷静さを欠いているようだ。想定外の事態だからだろう。

利用者としては選択肢が多いほど嬉しいので月額980円に拘らなくても良い。Netflixが4k画質でみられるプランの料金を高くしているように、サブスクリプション価格を一律ではなくて、多様にすれば問題は解決するのではないだろうか。

Huawei MediaPad T2 7.0 Proを手放しました。

Nexus7 2013の後継機として発売してすぐに買ったHuawei MediaPad T2 7.0 Proを手放しました。壊れるまで使い倒したNexus7と比べると3ヶ月ちょっとでサヨウナラです。

手放した理由

スワイプをタッチと誤認知する誤タッチ問題が解決しなかった。どう設定をいじくり倒しても満足するレベルに達しませんでした。タブレットの一番の基礎性能である操作性に欠点があることにストレスがたまり、この機種に全然愛着が持てないので、高値で売れるうちに売ってしまおうという結末になりました。*1

タブレット歴は iPad mini(初代)→ Nexus7 → MediaPad T2 7.0 になりますが、基本性能に問題がある機種が流通しているはずがないという思い込みが失敗でした。購入して一月でiPad airを自宅用として追加購入、 MediaPad T2 7.0は外出用として使っていましたが、なまじiPad airに欠点がないだけに(さすがApple)、 MediaPad T2 7.0の完成度の低さが際立つ結果になりました。

憶測ですが

もうすぐHuaweiからでるNexus7の後継機(Pixelブランド)の為の人柱モデルだった気がしてなりません。最初はNexus7の後継機がでたら、そのタイミングで買い換える予定でしたがHuaweiというメーカーに不信感を持ってしまったので、それは止めにしました。おそらくMediaPad T2の問題点が全て解消された完成度の高い機種になるのは、間違いないとは思いますが、この期に及んで嫌いになったメーカーの新機種を再度手に入れる気はありません。

代替機種候補

Nexus7で好感度がマックスのASUSの7インチか8インチにする予定です。
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追記 2016年10月18日

買い換え機種決定しました\(^O^)/
lex.hateblo.jp

*1:追記 10月20日(木)誤タッチ問題を低減するアップデートが公開されたようです。『HUAWEI MediaPad T2 7.0 Pro』 ソフトウェアアップデートのお知らせ - Huawei Consumer

Kindle Unlimitedについておもうこと

togetter.com

最初の一週間で高額本がごそっと減り、一ヶ月で読める本が激減した。こうなってしまう超お得に思えた月額980円が割高に思えてくる。失望して速攻解約しようと一瞬考えた、今日解約したら980円払わなくて済む。しかし、最初の一週間に集中ダウンロードした高額マニュアル本を読み切っていないので、とりあえず一ヶ月は続けてみることにした。(この本達のお陰で10冊枠中の残り5冊を煩雑に入れ替える歪な使い方をしている)

Amazonの誤算と皆は思っている。でも織り込み済みの可能性もある。これを機会に電子書籍端末を買った人も多いだろう。無料期間中にKindeというソフトウェアの扱い方に馴染んだ層も相当数いる。読み放題から外れていても電子書籍端末で読んだ方が割引率やポイント還元率が段違いによいことや、頻繁に半額セールをやっていることも知ったはずだ。

読み放題の母数を大きく減らすタイミングで、KADOKAWAの半額セールが開催されたのも臭い。映画の大ヒットにより爆発的に売れている「君の名は。」の原作小説が半額セールの対象になっていたりする。

小説 君の名は。 (角川文庫)

小説 君の名は。 (角川文庫)

誤算も当然あったのだろう。しかし今回の大幅な登録本削減でこのビジネスが失敗したと決めつけるのは尚早だ。現に他国ではビジネスとしてまわっているからこそ続いているのだから。

個人的には「一定額で読み放題」よりも、10分の1の価格で読めるけれども一定期間で読めなくなる「Amazon Rental Books」的なサービスの方が(読み放題の母数が増えるのであれば)ずっと有り難い。

やきう

野球は興味ないけど、ファンに夢を見させてくれる素敵なスポーツだな。父は東映フライヤーズ以来の日ハムファンなので、昨夜はうまい酒を飲んだに違いない。

一つのドメインで

丸9年、貧困に陥らずに食べてこられた。素直に考えたら(それなりに)胸を張れることだ。過去のタラレバはよくないが、最初の挫折を乗り越えて3年目ぐらいにもう一度勝負を賭けたら年商3億ぐらいは無理ではなかった。

でも、年商10倍増は困難になっても、年商倍増、年収3割増ぐらいは今からでも可能なはずだ。気力体力は年々落ちている。それでも10年後の自分と比べるのであれば、今の方が間違いなく活力は残っている。

10周年にポジティブな総括が出来るように、地に足をつけたビジネスの再構築をチクチクやっていきたい。
(珍しく生真面目な私)


花模様  - Rie Ohtuska