中学校の先生に百人一首が大好きな先生がいた。すべて暗記させようとして生徒からいやがられたのだが、個人的に妙にツボにはまって短期間にすべて覚えてしまった。その恩恵で高校生の時のイベントで圧勝したことは数少ないポジティブな思い出だ。いま思えば意味もわからずに丸暗記したこういう知識こそ、ある意味本当の教養なのかなぁという気がする。
好きな歌はいくつもあるが、今の心境に近い歌は
もろともにあはれとおもへ山桜 花よりほかに知る人もなし
出家した貴族が、人里離れた山中に咲く山桜に己の心境を重ね合わせたもので、花=華のダブルミーニングが非常に効果的な名歌。この歌に限らず百人一首の歌の多くは不惑を超えた今こそ身に沁みる歌が多く、あらためて味わいたいと思っている。
百人一首 舞扇 任天堂 |