世界は完全であり
己はその完全から疎外された異物である。
そういう感覚から逃れられない。
異物にとって世界はすべて敵であり
生きることは全て闘うことである。
肉体は世界の侵略から魂を守る防御壁であり境界線でもある。
いずれ異物は世界に負けて排除される
それは既に決まっている。
排除に抗う術を行使せずに馬齢を重ねてしまった。
異物として自我を捉える限り
生きていく限り苦しみを積み重ねるしかない。
おまえは異物ではなく世界の一部なのだ
多くの賢者がそう伝えてきた。
しかし、その道は見えない。見えてくる気配も感じられない。