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Everyone's a winner and nothing left to lose

高砂コンビニ奮闘記

好きな本のカテゴリーに「物語作家が書くノンフィクション」がある。
大抵は作家デビュー前の記憶をネタに書かれたものが多い。
フィクションで食っていける人が表現する
ノンフィクションは滅法面白いことが多い。

下記の本もその流れで入手したものだ。
異色なのはデビュー前ではなく、
作家として仕事を干されたあとのことを書いている点だ。

高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-
(2010/01/21)
森 雅裕

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大作家となった東野圭吾と同時に江戸川乱歩賞を取った実力派作家で
仕事を干されるまでに30冊の著作がある。
コンビニバイトまで身を堕としたのは本が売れなかったこと以上に
芸術家気質の性格が多くの編集者との摩擦を引き起こしたためのようだ。

プライドの塊のような元作家が客筋の悪いコンビニに何とか職を得て
閉店になるまでの13ヶ月の回顧録である。

殺伐とした内容ながら
乱歩賞作家だけあって圧倒的な筆致でグイグイ読ませてくれる。
この手の本は本当にどれもこれも面白い。

ぼくも大学時代にコンビニで丸3年アルバイトをした。
けれど客層も良く、従業員も善人ばかりで、同じコンビニバイトでも
これだけ違う風景が見えるのかとその差異の方が気になった。

クレーマーに対して「如何に次は上手く言い勝つか」なんて
ことを必死に考えている著者のような人には客商売は苦痛なだけだろう。
不向きな職場に食うために13ヶ月もしがみついていたのだから
体験記の一冊も書かなければ気持ちの整理がつかなかったようだ。

この本が教えてくれる教訓は二つある
・コンビニは立地が運命を決める
・コンビニ従業員にとって店長の人柄はなによりも重要事項

ぼくも将来コンビニバイトする可能性はある(うくく)
その場合は立地と店長の人柄を十分に見極めたい。。