最近、世に溢れるコンテンツと自分の年齢が合わなくなってきた。特に漫画アプリで読むものの9割は心に響かない。
本来なら芸術性の高い映画や文学を味わうべき年齢なのに、身体はインスタント消費のネットコンテンツに馴染みすぎている。19歳でPCを買い、20歳からパソコン通信・黎明期のインターネットに触れてきたデジタルネイティブ最古層の末路がこれか、と思う。
荻原魚雷氏の著作には、文豪になりきれなかった作家たちの晩年の文章が多く紹介されている。彼らは自らに突出した才能がないことを自覚しつつ、「重ねた年齢の重さに価値をつけるしかない」と述べている。重心を落とし、一つ一つの所作に自覚を持ち、ゆっくり流れる時間に身を任せる——それが大切だという。
私の問題は、身体の衰えと脳内の感覚のズレにある。身体の可動部は錆びつき、潤滑油が不足しているのに、脳は三十代の頃とさほど変わらない速度で要求を出してくる。結果、すべてがままならず虚無に陥る。
必要なのは速度を落とすことだ。2時間の映画を腰を据えて観る。一冊の文学書を一週間かけて読む。文章は書き殴らず、倍の時間をかけて推敲する。動画編集も、完成後すぐアップロードしたい衝動を抑え、もう一押し・二押しブラッシュアップしてから公開する。
老いて物理的な処理速度が落ちているのに、脳の速度に追随して思索なく劣化したインプット・アウトプットを続けていては、年齢を重ねた意味がない。速度を落として、インプットとアウトプットの質を高める——これが今の自分に必要なことだと思う。
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youtu.be セミプロではなくて彼らはプロなので公開まで一月の間を空けました。六本木アビーロードのレギュラーバンドだけあって、貫禄とゆとりを感じる素晴らしい演奏です。