デビューして5年間ぐらいの長渕剛は圧倒的に女性ファンが多かった。石野真子と結婚して離婚するまでの曲は極度に繊細かつメランコリーで、今の彼のパブリックイメージとは正反対といってもよい。
この曲はそんな当時の彼を代表する一曲だ。女性との夜の密会を描写した曲だが、相手が誰であるかは今となっては明白だ。当時の私的にはさすがに気恥ずかしく聞こえたが、この曲に心酔している女性ファンがたくさんいた。フォークギター部では男性目線の曲にもかかわらず女性が唄っていた。
まぁ結婚してすぐにDVで本性を顕した彼は直ぐに離婚に至るのだが、離婚直後の曲も酷く感傷的だ。今聞けば「なら暴力ふるうなよ」といいたくなるけどねぇ。
これは離別したあとの未練を唄っている。女々しいにもほどがあるが、ここまで振り切った曲を表現できてしまうのはやはり才能だろう。公衆の目前で全裸になるような自虐が音楽になっている。
この感傷的な二曲は、忘れてしまった女性に対する郷愁を思い出させてくれる意味において、貴重な曲だ。