人を含む動物の三大欲は「食欲・性欲・睡眠欲」といわれる。食欲と睡眠欲は生命維持に不可欠だから、最近は三つのF【Food(生命維持)・ Fear(恐怖回避)・ Fuck(性欲)】というのが定番らしい。遺伝子というよりミトコンドリアレベルの根源欲ともいえる。
この三つのみが行動原理なのがアニマル、これらに操られず飼いならし、より高度の規範に則った人生を目指すのがホモサピエンスの特徴。
ミトコンドリアレベルの原初的な欲望に操られているのに、主体性をもった論理的な某であるという思い上がりが結局のところ「悪」なのだという。誰も見ていないところで困っている人に手を差し伸べるのは、三つのFとは関わりがない。深掘りしても三つのFにたどり着かない行動の有無が人の品格を決める分水嶺なのだ。
三つのFを蔑ろにしたり、蔑む必要はない。軽んじたら生命として存在が危うくなる。だが行動原理がこれだけだと動物と変わりなく、人として生まれてきた甲斐がない。