天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

不幸のサンクコスト

「自分が我慢していることをお前も我慢しろ」という心理|小野ほりでい|note

「自分が無意味な損失を被った」そして「自分が被った損失はなんの利益にも変換できない」という不合理な現実は、今後得られるはずのあらゆる幸福を代償にしてでも拒否したいものなのである。

人間は不幸な現状を打破し、未来をより良くするという選択よりも―――恐らくほとんどの場合で―――不幸な現状をなんとしてでも維持し、その不幸が正当なものであり、何らかのきっかけで報われるという幻想にすがることを選ぶ

この記事は私が近年よく考えていることを精緻にわかりやすく高度に教唆してくれて勉強になった。過去と現在の因果関係に強くこだわり、己の不幸を怨嗟しながら、実はその現状維持を強く願っている。こういう屈折した心理は一部の人たち特有の心理構造ではない。人類の思考が極めて陥りやすい典型的パターンにすぎない。だからこそ、それがマスになると社会構造すら歪ませてしまう。極めて個人的で己に特有だと思い込んでいることがそうではない。不幸をアイデンティティーにしている人からすると、絶対に認めたくないことだろう。

私について

私は組織で働くことが基本できない。何度もうつ病を発症して逃げるように辞めた。睡眠障害もあるので学生時代から社会人に至るまで遅刻ばかりしていた。ゆえに対人ストレスがなく睡眠のコントロールが利く現業が自分にベストだと思っていた。しかし、そう思い込んでいるだけなのかもしれない。コロナウィルス禍で収入減が固定化して長期化しそうなことがほぼ確実な現在、一番必要なことは「現業を12年続けてきたこと」にこだわりすぎて将来の可能性を失うことだろう。先細っていく先で仕方なく生業や住む場所や人間関係を変えざるを得なくなる前に意志の力で別の世界に跳躍できるか、人としての矜持が問われている。