サブスクリプションで「ニコラウス・アーノンクール」のモーツァルトを聞いてしみじみいいなぁと感じている。SONY・コロンビア系の音源はサブスクリプションへの音源提出が長らく渋かった。最近はその縛りも解けてソニークラシカルも聴き放題だ。
ニコラウス・アーノンクールは晩年には一番客を集められるマエストロに上り詰めたが、古楽器にこだわった若年時は傍流だった。古楽器演奏が一大潮流になり、それに影響を受けたピリオド奏法が王道になると、アーノンクールの知名度は加速度的に上昇した。ピリオド系のマエストロはブリュッヘンやガーディナーも良い。それぞれよさがあるけれどアーノンクールが一番聞いていて安心する。モダンオーケストラへの客演も多かったので、両方の良さを融合させるのが特に上手かったのだろう。
クラシック音楽にこういう概念があるのかは分からないけれども、アーノンクールのモーツァルトには「リズム感の良さ」みたいな魅力がある。流れるのではなく、弾むというか一瞬一瞬の音の響に魂を込めているそんな感覚。録音もそのあたりを心得ているのか、響の融合よりも明瞭さを重視している。
音楽は対話である モンテヴェルディ・バッハ・モーツァルトを巡る考察
- 作者:ニコラウス・アーノンクール
- 発売日: 2006/11/15
- メディア: 単行本