ダメな思考の典型として因果関係と相関関係の混同がある。
雨が降ったら傘が売れるは正しいが、傘が売れたら雨が降るは間違いだ。スケールを大きくすると、景気がよくなってインフレになるのは正しいが、インフレを発生させたら景気が良くなるというのは間違いだ。アベノミクスでリフレ派が敗北したのも同じ理由だ。韓国でも最低賃金を大きくかさ上げしたら景気が良くなるという経済施策が逆効果で、景気が転落している。
マインドフルネスの話。一番誤解が多いのは「過去への執着を捨てたら心の平穏が訪れる」これは明らかに間違いでマインドフルネス的には因果関係が成り立たない。正確には「現存在、今ここに集中することによって、過去への執着と未来への不安から自由になれる」だ。今ここに集中するというシンプルな方法が結果として、過去と未来への執着・不安を軽減する結果に繋がる。因果論的にはこうなる。
トラウマや将来不安を考えないようにするだけで、幸せになれるのであれば誰も苦労しない。だからその方法を教えましょう、長い歴史の中で培われてきた手法がありますよ、というのがマインドフルネスだ。因果をひっくり返しただけでドヤ顔している人がいるのは、本当にもったいない(-_-;
- 作者:ジャン・チョーズン・ベイズ
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2016/07/28
- メディア: 単行本