肉体の不快感が消えないので死蔵していた風邪薬を服用してみた。妙によく効いた。主成分はアセトアミノフェンだった。
鎮痛薬品の一つであるアセトアミノフェンは日本では人気がない。しかし欧米では鎮痛剤として圧倒的な人気を誇っている。米国人はアスピリンが好きと言われているが実際はアセトアミノフェンを最も好む。
日本人は鎮痛剤の中では効き目の弱い方だと認識していて、イブプロフェン等のNSAIDs系の薬の方が好きだ。アセトアミノフェンはNSAIDs系よりは総合的に副作用がかなり出にくい。肝臓に対する負担は相応にあるがアルコールと比べると問題にならない程度だ。文献を読んで知ったのだが
日本人は効き目が弱いといってアセトアミノフェンを好まない傾向があるが、それは服用量が少なすぎるからだ。日本の処方では一回の投与上限が500㎎だが、欧米では1,000㎎で一日の投与上限が4,000㎎となっている。十分な量を投与した場合の鎮痛効果はロキソニンと同等かそれ以上の薬効が認められる。
日本人はアセトアミノフェンが本領を発揮するだけの量を服用していないだけだったのだ。日本の製薬会社は旧くからある成分は儲けが少ないことを理由に積極的に処方しない傾向がある(アスピリンも同様)。アメリカ人は合理主義なので、医療費が高いという理由もあり、薬の選択が合理的だ。
ながらく、個人輸入しないと入手できない高価な鎮痛剤を使ってきたが、アセトアミノフェンで楽になるのであれば、安価で非常に助かる。風邪薬には他に雑多な成分が入っているので、単剤を入手してみたい。ただ連日4,000㎎を服用するのは肝臓に悪いので、最適な量を模索したい。
参考文献
+075-086YEG0210訂A.mcd
※PDFです。