- アーティスト: 水瀬いのり
- 出版社/メーカー: King Record Co.,Ltd
- 発売日: 2018/05/23
- メディア: MP3 ダウンロード
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応援する対象を見つけると人生が楽しくなるという他人様のアドバイスに従った。謎に好みのアニメに頻出する水瀬いのりさんがいいかなとおもった。
声優としての才能は文句ない。特有の声質で勝負するタイプではなく、役柄によって様々な声を出せる才能で魅せるタイプだ。それでいてルックスも良い。だいぶ前に好きだった牧野由依さんよりは分かりやすい。
ただ彼女の音楽はどう転んでも好きになれない。ここまで初聴で拒否反応があった音楽を好意的に聞こうとしたことはない。2曲ほどは聞いていて心地よい曲はある。他の曲は量産型消費財みたいな消耗品としての曲という感じが濃厚でダメだ。
前提として録音が良くない。スマホからのイヤホンで一番まともに聞こえるので、それを目指した音作りなのだろう。それにしてもこの音圧の高さには閉口する。メディアの許容範囲まで音を詰め込んでいるので楽器の細かいニュアンスが吹き飛んで、すべての音がのっぺりと平面に聞こえる。昔からキングレコード系の録音は良くない。にもかかわらずこうした音作りが続けられているということは、ある層にはこの音作りが最適なのだろう。私には想像もつかないが。
ボーカリストとしての水瀬いのりにはポテンシャルがある。キャラの声を意識したサウンドトラックでのボーカル曲には素晴らしいものも少なくない。それなのに自身の名前を冠したアルバムでの声が何故ここまで無個性になるのだろうか。おそらく無色透明で音程ピッタリで高い音域まででる特性を生かすのがよいと本人やスタッフが考えているのだろう。
このアルバムで抜きん出て出来のよい「アイマイモコ」はアニメの主題歌で、声はキャラを意識している。そしてこの曲のボーカルが一番魅力があるのだ。そう考えると曲毎に声質を変えるという才能のある声優にしか出来ない技を駆使すれば、アルバムの魅力も高まったのではないだろうか。
もっともこの作品はアイドル声優としての消耗品なのだから、アルバム制作にそういう哲学は不要なのだろう。アルバムのレコーディングにコンセプトと時間を与えたからといって売上が倍増するようなものでもないだろうし。