メジャーで出された2枚目のアルバムのタイトル曲。メジャーとはいえ業界的には干されていたので、シングルカットされたこの曲のプロモーションも無いに等しかった。一度だけオールナイトニッポンで流されたとき好意的な反応が殺到したというエピソードがある。この曲がファーストアルバムに収録されていたら、大塚利恵は今でもメジャーアーティストだったかもしれない。
詞
あなたに出会った街に 桜の花が咲いたよ
錆びたあの陸橋さえ 桃色がかって見えるよ
東京も春だよ
湯気が立ちそうなホームの 人ごみめがけ花びら
瞬きをするように 風の姿描くよ
ドラマティックに誰かのポケットへ
夢と埃の隙き間をひらひら
ズブぬれの東京を ズブぬれの僕が行くよ
雨あがりの白い空に どんな僕が残るんだろう
アレンジあっての名曲
この曲は大塚が自身の代表曲として、インディーズに移籍してからもセルフカバーを出している。しかし、曲そのものの完成度という点では他の曲の方が優れていると思う。この曲を成り立たせている大きな要素は、玄人好みの天才集団リトル・クリーチャーズのベーシストである鈴木正人の神業プロデュースであろう。2ndアルバム全体が神懸かっているが、真骨頂はこの曲だろう、不安定なところがある大塚のボーカルを重厚で繊細な音響で包み込み、曲のポテンシャルを最大出力させている。大塚利恵に興味が持てなくても、天才プロデューサーの手腕を味わうだけでもこのアルバムを買う価値がある。中古価格は高いけれども・・・
- アーティスト: 大塚利恵
- 出版社/メーカー: アンティノスレコード
- 発売日: 2001/02/28
- メディア: CD
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