横山典弘への憧憬

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横山典弘 - Wikipedia
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横山典弘といっても競馬に関心がない人にとっては「誰?」の人でしょう。JRAの日本人ジョッキーの中でも際だった個性派で武豊とほぼ同期だということもあり、一時期はやたらめったらG1の2着が多かったことが有名なジョッキーです。無個性な騎手が多い中で彼ほど騎乗スタイルそのもので魅せる騎手は他に類例がありません。

JRAの騎手は年間数勝でも一千万を超える収入があり、リーディング争いをしているジョッキーだと数億円は軽く稼げる実力次第の世界です。

しかし騎手は他のスポーツとは決定的に違うところがあります。

いくら騎乗技術が優れていても、駄馬にばかり騎乗していると勝てない

ここが決定的に違います。1㎞から3.6㎞走ってコンマ0.1秒で決着するシビアな世界なので、最終的には騎乗馬に力量がなければ勝てません。つまり実力プラス政治力が問われる世界です。政治力を左右するのが騎乗馬獲得に裏で暗躍するエージェントという存在です。実績を上げて有力なエージェントに担当してもらうのが王道です。

そういう高度な政治力も必要なので一流騎手は概ね「忖度力」も高度な場合がほとんどです。しかし、横典は政治力を駆使しなくても騎乗を希望する馬主や厩舎が多く、そういう苦労とは離れたところにいます。あの武豊でさえ忖度力を日々発揮しているところを伝聞で知ると、横典の唯一無二ぶりが際立ちます。

故に彼は他の騎手なら「馬主や厩舎の先生に怒られる」と恐れてできない極端な騎乗ができます。それがかなりの頻度でドンピシャリと嵌まって「さすが横山典弘!」と多くの競馬ファンを魅了するのです。

競馬における極端な騎乗というと「単騎の大逃げ」「後方ポツンで直線の末脚にかける追い込み」この二つが有名です。後者の後方ポツンは嵌まらないと、単なる無気力騎乗にとられかねないので、とくに若い騎手には絶対選択できない作戦です。
横山典弘 神騎乗 - Google 検索

実力があるゆえに自由気ままに振る舞える、必要以上に忖度する必要が全くない、ぶっきらぼうな態度をとっても許されたり愛されたりする、こういう実力に基づいた奔放な職人というのはカッコいい。競馬ファンなら誰でも彼に憧憬を抱いている。僕もこういうタイプになりたいけど、残念ながら万事について実力不足なので、一番遠いところにいる。だからこそ横典が格好良くてしかたがない。。
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