倦怠に効く音楽

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ベートーヴェンがなぜ楽聖と呼ばれるのかよく判る演奏。

テンシュテットは紛う事なきマエストロだがEMIが所属レコード会社だった悲運で過小評価されている。一連のマーラーの録音も演奏は神懸かっているのに録音がひどいという可哀想な状況。この演奏はベト9の超名演でカビの生えつつあるフルトヴェングラーの演奏よりは数段素晴らしい。もっとも90年代の録音ならもっと高音質であっても一向に構わないのだが・・・ しかし音質を気にする暇も与えぬ強烈な名演。最終楽章ばかり注目されるけれども、この曲の真価は3楽章までにある。この演奏はすごく血なまぐさく切れば鮮血が噴出しそうな熱い演奏である。こういう真の音楽を爆音で聴けば生きている意味がわかる。鬱々している暇などないとわかる。こういう火を噴くような演奏を聴くと、年末に日本各地でおこなわれる小遣い稼ぎのやる気のないオーケストラの凡演がいかに酷いかよくわかる。