ふと我に返る瞬間が怖い。そこにすぐに絶望と抑うつ感が侵入してくる。そのスキマが僕の弱点だ。そこを塞ぐのに音楽は大切だ。大音量で音楽を鳴らし、読みやすい活字の海に逃げれば、奴らの侵入を防ぐことが出来るのだ。
それに使っていた音楽は以前はアンビエント系のエレクトロニカだった。しかし最近は襲ってくる絶望が強力になったので、デペッシュモードやニューオーダーといった80年代の打ち込み系でボーカルのある曲が多い。訃報で思い出したデヴィッドボウイの楽曲も良い。
80年代ロックを大音量で流しながら、呆けたように駄本を読む中年というのは、客観的にみて格好悪い。しかしそれが一番手軽に現実逃避できるので、止められそうもない。