超ベストセラー「バカの壁」を今更読んだ。予想外に内容が濃かった。こんな本が馬鹿売れするって日本社会も捨てたものではない。
「情報不変」「肉体流動」の説明が特に面白かった。この二つの認識の倒錯が社会病理のすべてに伏流しているという説。意識は肉体の流動性(必衰性)に抗うために、変わらない情報を求め続ける本質があるらしい。
社会諸問題から人間関係の拗れ・個人的な精神病理まで、人は流転し衰えていく肉体の檻の中で、変わらない何かを言葉でつなぎ止めようと必死だ。必死すぎて見えなくなっているもの、それが「バカの壁」だというのが要約。文系批判とも読めるし、本当の動機はそちらのようだ。最近そのものズバリの新書も出しているし。
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