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自己責任とは「公」が責任回避したいときに使う呪文

海外の日本研究では絶対に勉強するという「日本の自己責任論」 どこがそんなに変わってるの? - Togetterまとめ

「自己責任だろ?」という言葉が頻繁に使われる社会において一番得をするのは公益をになう国をはじめとする公的機関だろう。大抵の不幸は個人の過失において生じる。だから歯止めがなければ自己責任論はその適応範囲が拡大する一方だ。

不幸を個人の責任に全て押しつけないで共同体でケアしましょうというのが、国家の役目であり、地方自治体の役目であり、地域コミュニティ・親族・家族の役割であるはずだ。それを「自己責任」の4文字で無効化することに対して疑問を持たない輩が増えているのは、ある種の社会病理に違いない。

本来グローバルな意味において使われる「自己責任論」は「リターンを得たいのなら、リスクを取らないといけない」という文脈で使われていたに過ぎない。それが日本では引用先にもあるように誤用と恣意的な拡大解釈がまかり通っている。その背後には明らかに「自己責任論」を利用して「公」の負担を減らそうとする爽やかではない意図が背後にある。

自己の行為について責任を強く感じるのは日本人の美徳だが、それを悪意で歪めた自己責任論は、「公」の責任回避に使われるレトリックに過ぎない。