ジョージ・ハリスンのソロキャリア中最も売れなかったアルバム。前作でワーナーからアルバムの内容に横やりを入れられてプライドを傷つけられたことと、ジョンレノン暗殺騒動に翻弄されたことで、すっかりミュージックビジネスシーンに嫌気が差したジョージは、「契約通りアルバムを出したのだから、あとは知らん」といった感じで、ほとんど販促をしなかった。80年代は洋楽の全盛期でいかにジョージの新作といえども、売る気のないアルバムは市場からほぼ無視された。
70年代前期の抹香臭い作風とはまったく違った、雰囲気でいえばHere Comes the Sunの明るい雰囲気を更に脳天気にした、陽光溢れるトロピカルな曲が詰まっている。ジョージは常に超一流のミュージシャンを起用したので、どの曲もクオリティが高い。
この冬はマイナー曲調のクラシックばかり聴いていたけれども、春が深まるとこういうアルバムが耳に心地よくなるなぁ。
Gone Troppo (2004/02/09) George Harrison |