オーディオへの物欲だけはなくならない。他に欲しいものは本当に思いつかない。頑張れば手に入るけれども、一念発起して買うには高すぎるという微妙なところがそそるのだろう。
誰もが大金を手にしたらという妄想はする。僕が妄想したときに脳裏に浮かぶのは超高級オーディオがゆるゆる鳴る部屋で弛緩するいうものだ。本当にそれ以外の妄想が湧かない。何という貧困な欲望なのかとおもう。
人間関係に拘泥されず孤独に揺蕩うという希望は既に叶っている。現行のオーディオもそれなりの音で鳴っているので、劇的に音が良くなるようなことはないだろう。すごく欲しいというより、できれば欲しいというレベル。我ながら慎ましい。
季刊ステレオサウンド No.189 (2013/12/09) 柳沢功力、傅 信幸 他 |