僕が最近よく考えていることと同じことが書いてあった。現代ではともかく、それまでの人類の長い歴史では「臆病者が長生きする」というのが真理だった。僕が今ここに存在するのも臆病者の系譜上にある。
だからネガティブなのは当たり前なので、それを自分の個性のように感じ、あまつさえそれをアイデンティティにしてしまうのは愚の骨頂とまではいわないまでも、知性的な自我のあり方としては美しくないといえるだろう。
自己啓発書の8割が「ポジティブシンキング」について書いてあることこそ、「人間は元来ネガティブである」ことの証左でしょう。
ネガティブな自分をゆるす本―ポジティブ・シンキングのとらわれをはずそう! (2008/09) 植木 理恵 |