ポール・マッカートニーには膨大な未発表曲がある。
この曲は知る人ぞ知る名曲としてある意味、最近のオフィシャル曲より有名である。
1972年頃のライブ音源である。
なによりも曲が素晴らしくよくできていて、
それでいて十分ウイングス的な個性も感じられる。
リッケンバッカーのベースに絡む演奏もドライブ感があって
初期のウィングスに対する偏見を払拭できる音源だ。
解散後のポールは出すアルバムが酷評されるばかりで
ウイングスを結成したものの大きなツアーをするゆとりもなく
小規模なライブを欧州で繰り返していた。
その成果の一つがこの曲なのだろう。
なぜオフィシャル発売しなかったかといえば
この時期に「Best Friend」という曲を出すとすれば
それはジョン・レノンへのメッセージか当てつけに違いなく
そうファンに勘ぐられることがいやだったのだろう。
だったらこんな曲を創らなければよいのにと思うけれど
創らずにはいられなかったからこそ、
隠れた裏名曲としてファンに愛されているのである。