天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

夢想が絶望を育てる

一般に劣等感の強い人ほど「完璧」を夢想する傾向がある。作家志望の人は芥川賞を ミュージシャンは武道館を夢想する。骨と皮しか無いようなガリガリの拒食症女性は痩せさえすればモテると思い込んでいる。

学生時代に語学をマスターできなくて、社会人になってから語学スクールに通うような人は、英語を日常的に使える自分を妄想しがちだ。実際は単語を一つ覚えるのだって、言い回しを一つ覚えるのだって、相応の努力が必要なのに、遙か彼方が目の前にあるような錯覚に囚われて自分を見失っている。

三十路をすぎてから、それを職業にもしていないのに、他者を圧倒できるような能力を獲得できると考えるのは、冷静に考えれば相当おかしいと誰でも客観的には理解できる。しかし自分の虚像を欲望すると超主観状態に陥って冷静な判断ができなくなる。

などと上から目線で書いている私こそが、実現不可能な己の虚像に振り回され続けた大馬鹿野郎なのだ。実際は挫折ばかりの人生なのに、ありもしない自分の可能性に賭けて散財を繰り返しながら馬齢を重ねた。遺憾という言葉しか見つからない。

未来は日常の延長線上にしかない。天災や政治無策によって悪くなる可能性があっても、よくなる可能性は万に一つもない。宝くじの一等に当たる確率は二千万分の一だ。

では人生には絶望しかないのかといえばそうでもない。美味いものを食べたとき、ひと風呂浴びたとき、ゲームに夢中になっているとき、小さな自尊心が満たされたとき、暖かい布団にくるまれて眠っているとき等々、小さくて細やかな幸せは、そこらに転がっている。それらの一つ一つを愛おしむように味わえば、人生もそんなに悪くない。

無意味な夢想に囚われて、妄念と現実の落差に絶望する暇があるのなら、とりあえず晩ご飯の準備に集中した方がよい。人生死ぬまで「今」が積み重なるだけなのだから。

Premiere ElementsはProと比べて圧倒的に簡単です。

Adobe Premiere Proを学んでいるのですが、プロ用だけあってある程度以上は難易度が高いです。挫折しそうになって思い立ちPremiere Elementsの体験版をダウンロードしてみました。

驚愕のわかりやすさです。 Proをマスターするのに必要な労力を100とすると、2~3前後しか必要ありません。さすがにPhotoshop Elementsの必要性は感じませんが、趣味としての動画作成ツールとしては、Premiere Elementsで十二分だと思いました。私レベルではElementsだからできないということも見当たりませんし。Elementsで動画作成の感覚を身につけてから、Proに移行した方が学習効率もよさそうです。

ネックはAdobe Creative Cloudの税金を払っていても、Elementsの入手には別途費用が必要なところです。Pro版をベースに初心者・趣味用にインターフェイスを代えただけの商品なので、高い月額料金を払っているのだからタダにしてくれてもバチは当たらないと思うのですが・・・ それかプロ版にElementsモードを内包してしまえばAdobe的にも商機が広がるはずですし。

Adobe Premiere Elementsを安価に入手する方法。

これはAmazonでダウンロード版を買うのが圧倒的に安いです。Adobeの公式サイトより5,000円も安いって歪な何かを感じますが、安く買えるのは有り難いですね。

Adobe Premiere Elements 2019 Windows版|オンラインコード版

Adobe Premiere Elements 2019 Windows版|オンラインコード版

環境音ライフ

今の職業を選んだ理由の半分ぐらいは「終日好きな音楽を聴きながら働きたい」というジャズ喫茶を始めた村上春樹のような理由だった。しかし、そういう生活も11年目に入ると食傷気味になる。ラジオも飽きてきた。しかし、無音は厭だ。そういうわけで環境音を聞いていることが多い。Mac専用ソフトによいのがある。一番愛用しているのが以前にも紹介した下記のサイトだ。

www.ambient-mixer.com

あらゆる環境音を網羅するだけでなく、ミキサーで音素のボリュームを変えたりミュートしたりできる。音質も際だってよい。

いろいろ聞いてみたが一番心が安らぐ音の要素が判ってきた。

水の流れる音

小川のせせらぎ。波打ち際の音、雨音、洞窟の反響音等、水に関わる音は本能に訴える何かがある。太古から人類は水分補給の心配のない環境に身を置くことに安心感を得ていたのではないだろうか。

森の音

風に木々がざわめく音、鳥がさえずる音、虫の鳴き声等々、豊かな緑は空気の清浄さを保証する。隠れる場所の多い木々の隙間は猛獣から身を隠すのに好都合だったのだろう。

この二つの要素が合わさった音源が一番聞く頻度が高い。聞いているだけでストレス解消になるし、寝つきが悪いときBGMにすると睡魔がちゃんとやってくる。

昨夜聞いた音源
A sea of green calm audio atmosphere

SS型遺伝子

もっと言ってはいけない (新潮新書)

もっと言ってはいけない (新潮新書)

橘玲氏の著作は前世紀から愛読している。最近はベストセラー作家の常連になった。この本は馬鹿売れした本の第二弾だ。主に進化心理学と遺伝子工学の知見から現代社会を読み解こうという野心作。最新の知見で新たな視野を与えてくれる一冊だ。

人間の性格に強い影響を与える遺伝子のパターンがあるらしい。主として脳内のセロトニンの制御に関わる遺伝子だ。ストレス耐性の強いLL型、弱いSS型、中間のSL型に分けられる。アフリカ系はLL型、ユーラシア大陸西側ではLL型とSL型が圧倒的に多い。

ストレス耐性に弱いSS型は東アジア、特に(日本・中国・韓国)に極端に多い。そして特に日本は突出して多い。SS型の多さは自殺率の高さや、うつ病の罹患率に顕著だ。

生きていくのが辛くなるSS型がなぜ淘汰されなかったのか? という疑問がある。この本の推察は「この地域は定住型で人口密度の大きい稲作地域で、共同体における他者の顔色を伺うコミュニケーション能力が弱いと生き残れなかったからだ」というのが仮説だ。中国や北朝鮮のように一党独裁国家だったり、国民情緒に政治が振り回される韓国、忖度政治が跋扈する日本の政治風土も、根っこをただせば遺伝子の型にあるという主張だ。

前著がベストセラーになったのはエビデンスを提示して「人生は遺伝子で大枠が決まり、性格は親の教育よりも思春期を迎えるまでの交友関係に大きく支配される」と喝破したことだ。生まれもった資質と、真っ白なノートに最初に書き込まれた他者との交友関係が人生のほとんどを決めてしまう。そういう身も蓋もない結論だ。

優生思想的だと批判されるのではと著者も出版社も恐れていたらしい。しかし、意外なことに「己の不甲斐なさを主因として不幸になった」と思い込んでいた人たちにとっては、運命決定論的な主張にかえって安らぎを見いだしたらしい。

抱えている不幸を「自己責任」に必要以上に帰さなくてもよいというのは、救いだろう。僕のメランコリックな性格や地頭の悪さも、己が日本人の平均値に近い平凡な人間にすぎないのだから仕方がない、そう考えると肩の荷が下りる気がする。。

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

幸福とは、健康と物忘れの早さである

幸福のこんな定義を聞いたことがあります。
「幸福とは、健康と物忘れの早さである」
ですって!
わたしが思いつきたかったくらいだわ。
だって、
それは真実だもの。
- オードリー・ヘップバーン -

世紀の大女優も東洋思想的な智慧に共感していた。
不機嫌で怒ってばかりいる人たちは世に掃いて捨てるほどいるけれども
彼らが突如落雷に打たれて過去の記憶を全て失ってしまったとしたら、どうなるだろうか。
生きていくのに不便は増えるだろうが、人生の重みがなくなって、しかめっ面はできなくなるだろう。

落雷に打たれなくても「過去について考えない」というのは意識して内面化することができる。

私は、この5年ぐらいそれを意識化してきた。
結果、少なくとも内面から湧き上がる負の感情に打ちのめされてメンタルを病む確率は確実に減った。

「過去について考えない」これだけで楽になれるのに
日々過去を呪詛することを日課にしている人が多すぎるようだ。

過去を反芻することを止めたスキマを使って、健康によいことをすれば
少なくとも絶望の蓄積を負いながら老いていくことだけは防げる。

負の思念がなく健康であれば、確かにそれは「幸福」だといえるだろう。
無い物ねだりをしないかぎりにおいて・・・

外光を遮るのはメンタルによくなかった(-_-;

寒さ対策として効果抜群な下記の冷気ブロックスクリーンですが、欠点がありました。室温が下がるのを防ぐかわりに、部屋が暗くなってしまうのです。それでも防寒効果とトレードオフだと考え、4日ばかり日中も暗い部屋で照明を頼りに働いていました。結果、終日外光が遮られた状態だと、メンタルが露骨に蝕まれることを身をもって理解しました。仕事部屋のスクリーンは外しました。もう耐えられん。

lex.hateblo.jp

高台の最上階なので普段はレースカーテン越しに広い眺望が常に視界に入ってきます。それを遮断してしまうと4日経過でハッキリと判るほど気鬱に陥ってしまいました。本当に因果関係があるかは不明ですが、外してしまうと妙に清々しいので思い込みだとしても、密室感が精神に悪影響を及ぼすのは間違いないようです。

たびたび「ワンルームでよいので市街地に引っ越したい」と妄想するわけですが、低層階の暗い部屋なんぞ選んだら、うつ病が再発しそうで怖いです。陽光や、曇っていたとしても自然な光というのは、とても大切なのではないか。そんなことをあらためて認識した次第であります。

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