フラワーズ・イン・ザ・ダート[スペシャル・エディション](2CD)
- アーティスト: ポール・マッカートニー
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: CD
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リマスター+デモの一連のリイシューシリーズ最新盤がこれ。今回からシングル収録曲・リミックスバージョンがダウンロードのみとなったので一部のファンが憤怒している。ただ邪推されているような理由ではなく、このアルバムから4枚もシングルカットしたり、12インチアナログ等で別バージョンを乱発しまくったので、CDに収録すると収拾がつかなくなるという物理的な理由なんじゃないかなぁ。
ともあれ傑作だ。過去のスーパースターではなく現役ミュージシャンの最新作という感覚で発売されたアルバムとしてはこれがラストだろう(ポールは微塵もそう思っていないだろうが)商業的に大失敗した前作「Press To Play」から巻き返しの意味を込めて、気合いが入りまくっている。全体を仕切ったプロデューサーはいなくて、いろんな人が入り乱れて作られたわりに、音の感触に統一感があるのが良い。甘く緊張感が途切れがちなソロポールの欠点を、エルヴィス・コステロとの共同作業で見事に押さえつけて、辛口で締まった作風に変質させることに成功したのが名盤になった理由だろう。