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自我の本質は言い訳のデータベース

雑感 心と体

こういう考え方が人間心理理解の最先端なのだそうだ。人間の行動というのは意志に基づいて行われるという常識がそもそも違うらしい。行動はすべて無意識に行われる。その行動を過去の経験と言葉の理屈から制限するのが、理性であり自我なのだという。自我≒自意識≒理性というのは禁止の大系であり、その基本は「やって無駄なことをやらなくて済むようにする」というエネルギー制御系なのだという。

脳がフル回転するのは「言い訳を考えているとき」である、というのは感覚としてわかる。禁止の大系が肥大化して無気力になるのを「ニヒリズム」という。ニヒリズムの栄養が「ルサンチマン」だ。脳内で復讐を済ませて行動には移さない。

社会的に弱いとされている人間ほど言い訳が多い、彼らの脳内は「言い訳」がビッシリと埋まっている。馬齢を重ねれば言い訳の重さに耐えかねて死を考えたりする。ほっとけば知性という人類に与えられた贈り物を、言い訳と保身に使うのが、人間というものであり、とくに弱者はそうなのだ。

誰かを恨んだり、弱音を吐いたり、誰も見ていないところで愚痴ったり、そういう輩は悪い意味で人間なのだ。自我の本質を理解した上で安易な結論を退け、とにかく純理性的に決めたことを行動に移すこと、これができるかどうかが、人としての分かれ目になるのではないか、そんなことを考えた。

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