わかりました あきらめましょう。

私は進歩しない 旅をするのだ

原因がなくても心は病みます。

近年一番評価を下げた学者は、フロイトである。アドラー心理学がブームなのもフロイト系の学説に縋りついていたら、心理学系の人たちは食べていけなくなりそうなのが理由の一つだという。

フロイトの様々なコンプレックス仮説は、研究が進むにつれ、近年ではエビデンスゼロの妄想に近いものだと見なされるようになったとのこと。トラウマ仮説も信憑性が大きく揺らいでいる。

現代人は「心が病む」のは原因あってのことだと普通に考えている。思考の特徴として、脳の特性として、現象には原因があるという考え方が現代人の常識になっている。

しかし、フロイトの仮説が疑われてから、原因に固執しがちな人の思考のあり方に疑義が唱えられるようになった。原因と思っているものは「きっかけ」に過ぎず、起因から心を歪ませたのはあくまでも自分自身である。そういう考え方だ。

こういった考え方はメンヘラーには評判が悪い。心の闇の原因を外部に転嫁できなかったら、メンヘラーの大半はアイデンティティを喪失してしまうからだ。

肺がんになったら煙草を疑う。しかし非喫煙者でも肺がんにはなる。同様に心の闇の原因だと疑っていたものが、実はそうではないということは大いにありうる。しかし性癖として原因を求めてしまう人間は、過去の事象を過剰評価したり捏造して、それを事実だと自分に思い込ませてしまう。フロイトの仮説が長年信じられてきたように。

絶えず今の自分を最適化するために、過去を上書きし続ける(改竄し続ける)のが人というものであり、その傾向が顕著な人ほど「心が病んでいる」といってもよい。

過去に転嫁する余裕もなく苦しんでいる人もいる。そういう人たちを精神疾患者、過去への呪詛で身動きがとれないほど心が不安定で、怒りに震えたり打ちひしがれているのがメンヘラー、そのように分けて考えた方が、心に関する諸問題がスッキリすると思う。