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最後に食欲が残る

生活

投獄記や長期入院記を読むと、最後に残って一番強烈な欲望は食欲だとわかる。

刑務所の中

刑務所の中

食に対する飢え、とくに甘いものに対する渇望にはビックリする。たまに餡子が食事に出されると、脳内麻薬が出まくって天にも昇る気持ちになるそうだ。砂糖で昇天できるのは羨ましい気もする。

僕の日常も単調なので、食事が一日の最大ベントになってしまう。とくに午前中に一仕事してからの昼食が至福の時間になっている。最大限美味しいのは甘味ではなくて、普通の栄養バランスがとれた平凡な一汁一菜だ。野菜をしっかり食べたときの満足感は今まで知らなかった快楽だ。

雑な自炊が続くと、たまにつくる手の込んだ料理がひどく美味しく感じる。主菜ではなくて副菜の充実度が幸福度と比例する。できあいの総菜ではなぜかこの喜びが生じない。しかし、副菜をつくるハードルは独り身にはとても高いのだ。