投獄記や長期入院記を読むと、最後に残って一番強烈な欲望は食欲だとわかる。
- 作者: 花輪和一
- 出版社/メーカー: 青林工芸舎
- 発売日: 2000/07
- メディア: コミック
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僕の日常も単調なので、食事が一日の最大ベントになってしまう。とくに午前中に一仕事してからの昼食が至福の時間になっている。最大限美味しいのは甘味ではなくて、普通の栄養バランスがとれた平凡な一汁一菜だ。野菜をしっかり食べたときの満足感は今まで知らなかった快楽だ。
雑な自炊が続くと、たまにつくる手の込んだ料理がひどく美味しく感じる。主菜ではなくて副菜の充実度が幸福度と比例する。できあいの総菜ではなぜかこの喜びが生じない。しかし、副菜をつくるハードルは独り身にはとても高いのだ。