ヘビー・ゲージ (1988/05/25) 長渕剛 1983年発売 |
このアルバムぐらいまでは長渕剛のファンは女性ばかりだった。6枚目のアルバムとギターの6弦(HEAVY GAUGE )を重ね、アルバムジャケットもギター弦の袋を模していて気が利いている。
80年代の彼はアルバムを出すたびに声がどんどん変わっていく。女性的なボイスから中性ボイスを経てチンピラボイスまで一気に変わるのだが、個人的に声質はこのアルバムが一番よいと思う。女性的な繊細さの中に男っぽい慟哭がコーティングされているのだ。あと録音がとてもよく、アルバムを通して冷たく透明な空気感が横溢している。アナログ録音の末期だったので、現場の録音技師たちに匠の技が溢れていた旧き良き時代の遺産といえるだろう。
時期的には離婚直後のリリース故に、極度に感傷的で繊細な曲が大半を占める。しかし私小説的な自己撞着に陥らず、一つ一つの楽曲がとてもよくできてる。純粋な作詞の能力としてはこのアルバムがピークだったと私は思う。
・Youtube でオフィシャル音源がすべて削除されていた・・・ なので断片だけ